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まさおのChangeLogメモ / 2005-07-03

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2005-07-03 Sun

* 大学の授業 [book]

川口市の図書館で今日借りてきて早速読んだ本。

千葉大学の教育学部で「道徳教育」を行ってきた筆者が自身の独特の授業
方法を元に、大学生の教育法の改善を提案。

大学生は、読み書きの方法がまるでできていないから、その基礎を集中的
に鍛え、個々の具体例に当たってきちんと自分の意見を言えるようになる
ための訓練が重要との信念に基づいた実践と提言。

抽象論に陥らないよう、ノートの取りかた、リポートの書き方の指導を中
心とした厳格な授業法は革新的に思えた。
いわゆる『お勉強』ではない『研究法』をきちんと教えるには、こうする
しか無いのかもしれない。

また、いわゆる大学生を対等な大人と見なすような現代的な観点からは、
相当にアクの強いものと受け取られるかもしれない。しかし、現実の大学
の惨状を見るにつけ、ここで展開される筆者の「大学の授業」観は、「怠
惰な」「たるんだ」大学生を立て直すための手法として有効なのかもしれ
ない。

少なくとも、一大学に数人はこういう厳格な授業を(少なくとも1・2年次
あたりで)する御仁がいてくれると、最低限のルールを学べていいだろう
なあ、と自分の経験からも思った。

大学で授業を行う一人として、非常に耳が痛い面も多いが、具体的な授業
法を示すという意味では、貴重な一冊。

* 東大教授の通信簿―「授業評価」で見えてきた東京大学 [book]

先週、ジュンク堂で買ってきて読んだ本。

東大の教養学部での授業評価を行った際の経験について述べた本。

なんだか全体の文体が傲慢な「オレ様」口調なのが気になった。
もっと真面目に書けば、素直に読める部分もあるのに、不必要にアジって
いるのが読んでいて、不愉快。
Webで少し検索してみると、著者は東大内ではその物言いが評判の名物教
授として知られる存在らしい。しかし、そんな内輪受けに関係なく、素直
に筆を進めるべきだったのではと思う。

東大では1・2年次の授業は全学共通で、教養学部が担っているらしいが、
ここでの評価が進路となる専攻の決定時に大きく関係するとのことで、様々
な分野からなる巨大な教養学部の評価を統一するという難しさが出ていて
興味深い。

まあ、そういう点だけは参考になるが、金払ってまで読む本ではない。

* 恐るべきお子さま大学生たち―崩壊するアメリカの大学 [book]

川口市の図書館で今日借りてきて早速読んだ本。

アメリカの大学生事情について、著者の身のまわりの話を中心にまとめた
もの。

感想としては、アメリカも同じなんすか…。変わらんねえという感じ。

というか日本よりも、
・ずっと権利意識が強い国民性
・いわゆるエリート大学と教育大学とに役割分担がはっきりしている
という理由から、さらにややこしい問題になっている気がする。
教育の評価とかなったときに、学生のご機嫌うかがいをいなきゃいけない
とか、厳しい話やねえ。

筆者は元ジャーナリストで西海岸の公立大学で教鞭についた人で、本書で
は、その本名・勤務先を匿名にして話を進めている。これが実際の大学名
などを出していればもっと説得力があったろうに。