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混合・適合型ソフトウェア

オブジェクト指向技術が広く利用されるようになると、 プログラムの定義が劇的に変化するだろう。 従来のプログラムは「閉じたシステム」であり、 納品した際の開発者が構築した形態が最終的なものとなり、 プログラムを変更したり、 ニーズに合わせて適応させたりといったことはできなかった。

オブジェクト指向技術はこの状況を一変させる。 オブジェクトはいつでも(プログラムが稼働中でも)リンクできる。 この機能により、 プログラムは部品として提供でき、 このような様々な部品は同時に購入する必要はないし、 同一のベンダから買う必要もない。 部品毎に互換性があり必要なサービスを提供できるものであれば、 顧客はその部品を独自のニーズのために組み立てることができる。

ソフトウェアの構成における目覚しい進歩は ハードウェアの領域でのオープンシステムと同様の効果をもたらすだろう。 1

全ての部品をどのように組み合わせても動作できるので、 このハードウェアのオープンシステムアプローチは 多くの複雑さ(面倒なこと)を生んでいる。 しかし、結果的には 優れた適合度があるので、 オープンシステムは圧倒的に支持されている。

オブジェクト指向技術も 複雑さ・恩恵と共に同様の開放性をソフトウェアにもたらすとされている (図[*])。



  
図: オープンソフトウェアシステム
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\epsfile{file=OODB91.ps,height=6cm}
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もちろん、オープンソフトウェアは問題を引き起こすこともある。 しかし、オープンソフトウェアは単純化を行なうことができる。 従来は各ハードウェアの組み合わせを設定するたびに、 新しいプログラムを「インストール」しなければならず煩わしかったが、 オープンソフトウェアにより、 ハードウェア毎に適切なインタフェースオブジェクトをロードすれば、 プログラムが自動的にそれに合わせるというように すごく単純にすることができる。

最終的には、オープンソフトウェアシステムは革新をもたらすだろう。 現在のアプリケーションはとても複雑なので、 大規模な多数のプログラマを抱えたソフトウェア会社だけしか システムを開発できない。 しかし、システムがコンポーネントに分解され、 ベンダの枠を越えて混合と適応ができるようになれば、 小規模の革新的な開発者達も競争に参加でき、 恩恵をもたらすことになるだろう。



Masao Takaku 平成11年3月11日