図書館情報学研究における実例を用いた統計学の基礎。
NII図書館で借りてきて読んだ。
原書は1977年出版と非常に古い本であり、例題として取り上げられる実例
には「カード型目録の是非」など、かなりアレげなタイトルも散見される
が、蔵書規模と図書館サービス(貸出数・参考業務数など)との相関など、
図書館学研究において実際的な例題をもとにして、基本的な統計要約量の
読み方から、相関係数、検定といった統計の初歩について解説。
説明も丁寧で、翻訳調の部分も意外なほどなく、上記の例題に馴染がある
人なら分かりやすい解説だと思う。
(馴染のない人は当然、*普通の*入門書に当たるべきだろうが…)
問題は、統計学上の新しい知見についての追記が見当たらないこと。1970
年代から今日までの間に新たな統計手法や検定手法が発達していないとは
思えないのだが…。できれば、補足として述べておいてくれると大変良かっ
たのだが。