東日本大震災を受けた心理的ショックに起因する課題について述べた本。
短い内容ながら、災害時の状況を環状島にたとえて、内海の犠牲者と内斜
面の被災者、外斜面から近づく支援者たちと、外界にいる多くの傍観者と
いう関係者の立ち位置に応じて、様々な課題をその水位や重力という形で
たとえている。これまでの災害時の経験と、今回の震災を受けた、トラウ
マやストレスがもたらすもの、時間的経過を通じたそれらの広まりや困難
さを論じている。
2011年7月時点での執筆のようだが、10ヶ月が経とうとしている現時点に
おどろくほど、そのまま敷衍できる形の記述と説明が多い。わたし自身、
発災直後から
saveMLAKという(間接支援)活動にかかわってきたが、その
中で感じた困難にも通じることは多い。
さて、最後のほうで、災害ユートピアを超えて出てくる課題の多くが羅列
され、悲観的にならざるをえないが、多様性と寛容力の大きな社会のほう
が、自己責任と競争を促す社会よりも、支援の輪を広げ、被災者が孤立せ
ずに多様な支援につながっていく可能性が高いのではないか、との提案も。
はてさて、どうだろうか。残念ながら、社会全体をどうにかするというこ
とは考えようもないが、できる範囲でのつながりを作る形の支援はまだま
だ10年20年単位でできる範囲で考えていきたい。
また、直接は関係ないが。
ここ数年忙しさにかまけてこちらの自分用メモも更新しない状態がつづい
ていた。おおむねツイッターでの発信で代用はしていたが、ツイッターで
は落ち着いた長い文章も書けないので、こちらのメモを介した発信も再開
していきたい。発信することによってやわらぐストレスもあるだろうと思
いつつ。。。