リンク: [ホーム] [自己紹介] [リンク集] [アルバム] [ソフトウェア] [発表文献] [その他]

まさおのChangeLogメモ / 2006-11-26

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

2006-11-26 Sun

* サイエンスアゴラ

昨日から3日間開催中のサイエンスアゴラなるイベントに出かけてきた。
http://scienceagora.jp/

以下、ちょっとホロ酔い気味なので、ぶっちゃけモードで書いてみます。

「科学と社会の接点を探る」というお題でJSTが音頭を取ってやっている
イベントらしい。

興味があったのは、ARGの岡本さんによる学術情報のWeb発信の話に加え、
早稲田大の事件でも何かと話題の研究倫理の話。

まず、岡本さんにお会いするのは初めてだったので、ブログやメルマガ運
営の話も含めいろいろとお聞きした。また、各種機関での実際に運用され
ている方の話なども聞け、参考になった。

さらに、研究倫理と競争的資金の2つのパネルも聴講してきた。
これらの話題に詳しいわけではないが、むしろ一介の研究者の端くれとし
て、さらに競争的資金を頂いている者として、避けるわけにはいかないと
感じているので…。

しかし、「競争的資金をもらっている研究者は皆、ある程度の不正行為を
せざるをえない」という現状と、そのルールの改善に向けて、、、という
話題なのだが、あまり先が見えず、いいかげんにしてほしい…というのが
正直な気持ち。

当方のような一末端研究者レベルでは、どんなにルールに気をつけていて
も公金の年度末予算消化に携わらざるを得ない現状では、科研費などもら
いたくもないのが正直な気持ちだ。このあたりをクリアに分かりやすい形
で一般に説明する方法があれば、教えていただきたかったが、あまりつっ
こんだ話ができず、ちょっと残念…。
唯一の収穫は、JSPSの科研費担当の方が個人的見解と断りながらも、「エ
フォート率はほとんど審査・評価には意味が無いので、常識的範囲内で書
いてきて欲しい」と述べられたこと(一億円の申請に対し5%とか、大学教
員なのに80%とかは止めたほうがよいとのこと)。
# ここらへんの申請ノウハウには真偽のほどがしれないデマ・神話の類が
# 公然と横行しているので、いいかげんにしてほしいと思う。

お題目の「サイエンスコミュニケーション」そのものについては、よく知
らないが、個人的には予算を得るためのbuzzwordという気がして、あまり
好きになれない。このあたりうまい解説記事でもあればなあ、という感じ
ではある。
# ちなみに「サイエンスカフェ」なんてのもbuzzwordだと感じる…。

最後に、図情系の知り合いを全く見かけなかったのに驚いた。
完全にアウェイという感じ。学術情報流通ってのは、図書館の大きな柱だ
と思うのに…。近い分野のようで、遠い分野なのかなあ…。
運営の方にお聞きした限りでは、筑波大の研究科長に声をかけたものの、
あまり色よい返事がなかったとのこと。個別にとりくんでいる先生がいな
いだけなのかもしれんけど…。

ま、いろいろと思うところが多かった。

[2007-06-06 追記]
競争的資金のパネル討論の議事録が公式サイトに掲載されていました:
http://www.scienceagora.jp/pdf/37.pdf