動物の行動や形質をめぐる4つの研究命題を探求する解説を、性別、鳥の
さえずり、鳥の渡り、発光、子の世話、角と牙、道徳性、といった多岐に
わたる話題で展開している。
著者によれば、4つの疑問とは、至近要因、究極要因、発達要因、系統進
化要因のそれぞれからなり、提唱者の名を冠して、ティンバーゲンの4つ
の疑問と称されるとのこと。
テーマが多岐にわたり、疑問や仮説が提示される解説が刺激的で面白く読
めた。
あとがきで著者が述べているとおり、4つもの研究命題に答えることは、
生物への理解を豊かにするということが鮮明になっている。一方で、現代
科学においては、通常は、専門家としての研究者は4つのうち1つだけを相
手にするような細分化がなされているだろうから、そのあたりの微妙さも
考えさせられる感もあり。。。