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まさおのChangeLogメモ / 2009-02-13

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2009-02-13 Fri

* インターネット市民スタイル [book]

社会学系リソースサイト「ソキウス」を運営する著者が、黎明期インター
ネットにおける市民としてのあり方を実践的に教える本。
cf. http://www.socius.jp/ (Socius ソキウス)

1997年初頭の出版ということで、fjやネチケットなど、この時期のインター
ネット解説書に見られる懐しい記述はさておき、「インターネットでの市
民」とは何か、どのような社会がありうべきかという命題を提示する試み
のように思える。

個人的には、PUS(Public Understanding of Science)を超えるWeb情報
共有のインセンティブ論に対する、自分なりの結論めいたまとめが欲しい
との思いがここ数年あったのがきっかけで読んでみた。
というか、ARGの岡本氏が昨年夏の社会心理学会のシンポジウムで「なぜ
(研究者は)語るのか」という印象深い講演をしていたときに、そういっ
た類似のテーマをまとめた論考が無かったか講演後にお聞きした際に薦め
ていただいたのが直接のきっかけなのだが…。
いずれにしろ、ようやく読んでみた(絶版本らしく図書館から相互貸借)。
cf. http://d.hatena.ne.jp/arg/20080707/1215358835

そういったテーマの点からすれば、やはり本書は原点に近く、「市民」概
念というエッセンスを取り出してみれば、かなり本質を突いた論点を提示
しているとの感は確かにあり、感銘を受けた。
cf. 本書の考察部分は以下でも公開されていた:
http://socius.jp/on/01.html

このような鋭い論考を見ると、インターネット参加ということの本質は
Web1.0時代(もしくはWeb以前)から変わっていないのではないかという
感を強くする。逆に、Web2.0風に「ユーザ参加型」と銘打つことが、本書
で説くような市民社会の本質を見えづらくしてしまっているのではないか
との危惧も覚えた。
…技術の進歩と市民社会の進歩とは必ずしもイコールではないので、当然
のことなのだろけど。。。
Referrer (Inside): [2009-02-28-3]