Web上での書誌情報表示画面のユーザビリティガイドラインとユーザ実験。
・書誌情報
Joan M. Cherry, Paul Muter, Steve J. Szigeti:
Bibliographic Displays in Web Catalogs: Does Conformity to Design
Guidelines Correlate with User Performance?
Information Technology and Libraries, September 2006. pp.154-162
URL:
http://cogprints.org/5244/
・概要
Webユーザビリティのガイドラインへの準拠度と、実際のユーザ実験によ
る使い勝手とが、どれくらい対応しているかを調査した。
27名の被験者に、9種類の表示画面において、「タイトル」「著者」「所
蔵番号」「出版社」「出版年」をクリックする課題を与えて、課題達成に
要した時間をユーザのパフォーマンスとし、それぞれの画面のユーザビリ
ティへの準拠度と相関を見た。
ユーザビリティ・ガイドラインは書誌表示についての既存研究で示されて
いるものを用いた。
結果、ほとんどの課題で、有意な相関は確認されず、さらに、逆相関を示
すものもあった。唯一タイトルについてのタスクに限れば、有意な相関が
見られた。
追加実験として、より一般のガイドラインを用いて再実験したものの、こ
の結果もほぼ同様で、相関に有意性は確認できなかった。
・感想
著者らも考察で述べているように、Webデザインの方法論は、いまだ未完
で、「アート」に依る部分も大きい。これらを単純なガイドラインの形で
表現するだけでは、その要諦をつかむことは難しいように思う。
特に、報告内容では、ガイドラインへの準拠度を単純にチェックリストの
うち準拠できた項目数を足し合わせただけの点数で見ているが、ガイドラ
イン項目間にも、重要なものと瑣末なものが混じっているように思うので、
そのあたりをきちんと考慮に入れないと、有意な結果は得られないのでは
ないか。