タイトルからは想像していなかったけれど、この本は図書館情報学の専門
書とみなされるべきだろう。特に、分類体系を中心とする資料組織法に関
して、より一般的な整理法としてのエッセイからはじめて、DDC, FRBR,
リンネの生物分類といった旧来型の体系と、タグクラウド、フォークソノ
ミー、ファセット型探索といった、Webを中心としたサービスで開発され
提案されてきた概念とを対比しながら解説している。
原題は『Everything is miscellaneous』ということで、「すべては総記
となれ!」的な響きを持つ。。。
(アリストテレスの形而上学以来の入れ子・階層構造を持つ)「体系」の
思想は、情報にあふれた現在では限られた用途にしか使えず、その他のも
のは「雑多・その他」となり、やがて「その他」に埋めつくされるとの主
張を様々な観点から書いている。
本書の難点は、構成(および校正・製本)に雑な印象があり、それそのも
のが雑多さを表現しているのかも…(!?)