潜在認知をテーマとして著者自身の研究成果とともに解説した本。
文体のせいか、ところどころ読み辛い箇所が多く、かなり読み飛ばし気味
で、まじめに議論を追いきれなかったが、創造性に関する章など、参考に
なるところも多かったように思う。
たとえば、p.268の議論のなかで「脳の外界へのすばやいアクセス」とい
うキーワードが示されるが、これは情報探索における行動の説明の難しさ
に通じる重要なキーワードとなっているように思う。また、p.278におけ
る、周辺・辺境の探索が独創的な洞察に通じると述べている点は、連想概
念の重要度に通じる。