古今の金属物理の実践と理論を平易に解説した入門書。
人と金属のつながりという観点から、石器・青銅器時代の原初期から説明
をはじめ、中世の錬金術に至るまでの金属加工技術の発展を追い、近代科
学に入ってからは、各種理論・分野を幅広く解説している。
なにより各国の科学者の個性に触れながらの解説によって、とても楽しげ
な科学研究のプロセスを語っており、その中に理論・原理の解説を混ぜる
というバランスに優れた良書のように思う。
「初学者にも…」とある通り、専門的な箇所はかなり読み飛ばしたものの、
門外漢の自分でも楽しく読めた。