名作『ピーターラビット』シリーズの作家ビアトリクス・ポターの半生を
描いた映画。
単なる成功物語かと思いきや、当時の世相における女性像とマッチさせよ
うと生きた女性としての話を中心にすえ、随所にあの独特の味わいのある
イラストを挿入するという、巧みな構成・演出が光っていたように思う。
唐突に変調したところでちょっとびっくりしたものの、突拍子のない話に
なることもなく、ナショナルトラストといった独特の時代を感じさせる話
にまとめていったのも面白かった。
現代とも近代とも言いきれない、微妙な時代の空気を描いているところが
印象的だった。