人間工学を職場という領域に適用するための考え方の解説。後半のほとん
どは改善事例の紹介が占めている。
とくに後半の長大な事例紹介が興味深い。かなり雑多なのが難点だけど、
なにより量がすごいので、これを眺めているだけでも面白い。様々な環境
での改善事例なので、いろいろとヒントになることがありそう。あと、物
理作業量や負荷量を規定するための定量的な指標については不勉強で知ら
なかったので、参考になった。
たとえば情報行動の研究でも「Work place」と「Daily life」という文脈
の違いを意識した研究は多いのだけど、ここまで徹底して職場という環境
そのものを意識して、物理的制約にもとづく工学的なアプローチ(もしく
は産業保健などの観点)による様々な取組みがされているのだなあという
ことに感銘を受けた。
ところで図書館という職場も肉体労働の現場として言及されることが多い
のだけど、本書で見られるような観点からの研究はあまり聞いたことがな
いなあ。。。