http://www.nii.ac.jp/openhouse/
おととい、昨日は、職場の一般公開イベントに参加。
今年で4回目の参加なので、内部の人間としてはやや慣れや惰性といった
ものを感じなくもない。ただ、一般の方や企業の方などから、おもしろい
フィードバックがあったりする、一般公開ならではの楽しい面もあって、
それはそれでとても貴重。。。
cf. 昨年のオープンハウス時の感想:
[2007-06-10]
2日間とも、「ウェブ情報をデータベースと結びつける」と題したポスター
発表をお手伝いしたほか、あちこちの発表を見てまわってきた。
1日目は、基調講演のATR脳科学研究所所長の川人氏による、ブレイン・マ
シン・インタフェースの現状報告がとても刺激的で興味深かった。
2日目は、ポスター発表以外として午後のCSIワークショップを聴講。
「CiNiiのいま、これから」と題して、論文データベースサービスである
CiNiiに対して、多士済々のメンバーで意見をぶつけるディスカッション。
いまや「Only one」の存在感で「使える」システムとなったCiNiiをどう
とらえたらよいのか、といった話題が多かったように思う。主たる議論の
内容は、「かたつむりは電子図書館の夢を見るか」にくわしい報告がある
ので、2点ほど感想だけ。
cf.
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20080606/1212774613
・「学術流通におけるユーザ像」
グーグル連携による利用者急増は逆にユーザ像の再定義を迫っているよう
な気がする。大向さんによる「どんな専門用語でもグーグル検索すれば、
10件のうちの1件はCiNiiが出てくる」といった発言からも垣間見れる現状
と、討論やフロアからの質疑でも対象とするユーザ像をどう定義していく
のかを問う意見が出ていた気がする。
たしかに、単に研究者や学生だけでなく一般の人が立ち寄るサービスとし
ての立ち位置をどういった方向で活かしていけるのか、検討の余地は大き
そうな気がする。一般における科学リテラシーの醸成や、教育・学習への
応用といった側面から考えてみたほうがいいのかもしれないとおもった。
ついでに言えば、CiNiiにおける「論文」ってそもそも何なのか?という
質問は出なかったのだけど、そのあたりから考えられるとよいのだろう…。
・「人の活用」
岡本さんがCiNiiの良いところとして挙げていた「職員と研究員の連携」
というキーワードから思いあたったのだが、結局のところ、ソフトウェア
はハコモノではなく、それを設計・構築・運営する人の問題に帰着される
ので、関わっていく人をどう育てるのか、という点を検討していくとよい
とおもった。フロアからの厳しめの意見でも見られた「NII/JST/NDL」の
併存状態を考えるといった場合にも、それぞれの中でサービスを{運営/構
築}していく人材をどう確保し、育てていくかをキーポイントにすること
が重要ではないかとおもう。(これ以上書くと、直接に「わたしにお仕事
ください」と言うのと変わらなくなってしまうので、この先は書かないで
おく…)
なにはともあれ、部外者なのか関係者なのか微妙な立場ながら、ソシオメ
ディアの篠原さんをはじめとする皆さんとも、話ができたのがとてもうれ
しく、岡本さんや阿蘇品さんにも感謝したい。有意義な2日間だった。