グリコ・森永事件の真犯人に迫る推理を展開するノンフィクション。
これまで非公開となっていた捜査本部の内部報告書を元に事件の全容を描
くとともに、犯行に関わったのではないかとされる男(自殺した故人)の
様子を関係者の証言を参考に描いている。
事件が起きたのは私が小学校3年生の時だから、記憶は片隅に残っていて、
テレビでしきりに青酸カリ入りチョコレートを置いたとされる監視カメラ
の映像を流していたのを覚えているし、友達や周りの大人たちと怪人21面
相の話をした記憶がある。しかし、事件の全容はほとんど覚えておらず、
特に事件の発端となった誘拐のあたりとか、やり取りの全体像は完全に忘
れていたので、詳細な記述はとても興味深く、おもわず一晩かけて読んで
しまった。
推理そのものの方は説得力はあるものの、決定力に欠ける気もするので、
そういうこともあるのかな…と話半分で読むのがよさげ。