現生人類が過去の一時期に水生動物として進化過程を過ごしていたという
「アクア」説を唱える本。
札幌出張の機中で読了。
アクア説そのものはどこかで俗説のような形で耳にしたことがある程度だっ
たが、とてもキャッチーなタイトルで一度読んでみたかったので、図書館
で借りて読んでみた。
全体に証拠に乏しく、強引な展開が多い、というのが第一印象。
とくに、言語獲得、二足歩行等をはじめとする、人類の特徴的な進化適応
のほとんど全てが水生生活への適応に始まるとする主張はさすがに大袈裟
にすぎる形で、他の要因との検討が見られないせいで、主張の質を落とし
ているように思う。
残念ながら、1980年代初頭刊行と相当に古い本なので、その後の現生人類
のミッシングリンクの発見以降のこれらの説の妥当性についてどのような
評価が行われているのか、最新の研究動向も気になった。