バラク・オバマ現アメリカ大統領が、若き日にハーバード大の歴史あるロー
レビュー誌でアフリカ系アメリカ人として初の編集長に就任して注目を浴
びた際に執筆した自伝。
『Roots』風の色彩が強く、混血児として生まれ育った自らのアイデンティ
ティへの葛藤をつづった青年としてのストーリー。アメリカ、ハワイ、イ
ンドネシア、ケニアとルーツをたどり生い立ちを追いかけていくストーリー
は、意外なほど叙情的な描写で書かれていて、理想に燃えるオバマ青年像
の原点が赤裸々に書かれている。
また、大統領へと勇躍した現在時点から見ても、野望に満ちた青年として
描かれる自身の像というイメージにも、またある意味では納得。