NPOとも営利企業とも違う「ソーシャルビジネス」を提案している。
著者は、2006年ノーベル平和賞受賞者であるグラミン銀行総裁のヤヌス氏。
マイクロクレジットプロジェクトから派生するソーシャルビジネスとして、
電話・IT、織物、畜産といったビジネスに適用を行った事例、そして、多
国籍企業のダノンとの合弁会社である、グラミン・ダノン社の事例を紹介
しながら、ソーシャルビジネスの展開の可能性を論じている。
実は、単にグラミンの話もしくはヤヌス氏の自伝を読んでみたかっただけ
なのだけど、ソーシャルビジネスからグローバルな貧困撲滅、地球温暖化
防止まで、大きなグランドデザインが描かれていた。
単に理想的に過ぎると、シニカルに受けとめてもよいのだろうけど、なに
よりマイクロクレジットの実績によって、夢想的とはかたづけられない力
強さを持っていた。
あと当初の目的には、ヤヌス氏の自伝も出ているようなので、そちらを見
ることにしよう。