原題が『Cult of Amateur』とあるとおり、Web2.0の特徴の一つとされる
「ユーザ参加型」のコンテンツサービスが、既存の専門家・プロの蓄積を
無視した暴挙だと指弾する本。アンチWeb2.0。
AOLの検索ログ公開時の騒動やMySpaceでの実態など、日本ではあまり話題
にならなかったものについて、細かい描写があるのが意外と助かる。
一部に見るべき鋭い指摘もなくはないが、残念ながら、逆に、なぜプロで
なければならないのか?という前提の部分が示されず、かなりいい加減な
議論となってしまっているように思えた。一部には文体の影響もあるだろ
うが、言い回しが独善的で、逆に、専門家カルトとでも言ってしまいたげ
な、雰囲気もなくはない。皮肉を言えば、著者自身があとがきで述べてい
るとおり、著作業のアマチュアによる作品であったということなのだろう…。
あと、「アンチWeb2.0」との意図での出版であるのであれば、もう少し早
く出版するべきであったかもしれない。。。