行動経済学の観点からのホモ・エコノミクス批判批判ではなく、人の行動
において合理的な説明がつくものとして、インセンティブによる行動変化
と社会構造との要因から説きおこしている。恋愛行動から、貧困や差別と
いった深刻なものまで射程に入れた論を展開している。
冒頭のポーカーを例にとったゲーム理論からの応用事例は初耳で、とても
面白かった。
ほかの個別事例に関しては大きなインセンティブを説明しようとしている
が、かなり大胆な推論によるとの感が否めず…。本文中でも何度か参照さ
れているが、数年前に読んだ『ヤバい経済学』と類似の内容に読めた。