公立中学校の美術教師による教育法を追った物語。
全く知らなかったのだが、徹底したスケッチによる基礎教育と調べ物学習
とを組み合わせた授業で高い成果を上げたとして、注目をあびたものらし
い。
特に、調べ物学習の導き方が興味深かった。これは着眼点さえしっかりで
きれば、観察、調査、描写といった活動がいつでもどこでも場所を問わず
に行えるという美術教科ならではの良さを活かした教育なのかなという感。
ただし、教育法そのものの記述というよりは、教師の教育への姿勢や意気
込み、集団指導の手法の方が主体となった記述のように思う。あと、やや
文体が情緒的で大袈裟な描写が気になる部分も多いと思った。