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まさおのChangeLogメモ / 2007-10

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2007-10-31 Wed

* 今月読んだ本

今月は、読んだ本の簡単なメモを書いてみるのにチャレンジしてみた。
ライフログの一環(?)のつもり…。

読んだその場で簡単なメモを書いておいて、後からChangeLogに書き起こ
しているので、若干のタイムラグや面倒さはあるものの、あとからふりか
えってみるのには、まあまあ良い感じかも。
ただ、来月も続けるかは要検討。

12冊:
[2007-10-01] ワーキングプア
[2007-10-06] 明文術
[2007-10-07] イノベーションの達人!
[2007-10-11] 暴走族のエスノグラフィー
[2007-10-16] 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
[2007-10-18] CONTENT'S FUTURE
[2007-10-19] 消費者理解のための心理学
[2007-10-19] 仕事で燃えつきないために
[2007-10-22] りんごは赤じゃない
[2007-10-24] 人類はなぜUFOと遭遇するのか
[2007-10-25] 学歴と格差・不平等
[2007-10-28] らも

* 平成20年度・科研申請書

ようやく書き上げた…。

ここ一週間ほど別の〆切に追われながらだったので、何度か書き始めては
中断というのを繰り返していたので、結局は一日で書きあげる強引な展開。

テーマもかなり異色のものに変えてしまったので、今回は通らない予感が
ひしひしと…。。。

ダメならダメで、どうせなら萌芽で出してみればよかったかなあ。

2007-10-30 Tue

* 精度・再現率の罠

myrmecoleonさんの反省文を読んで、率直に情報検索評価研究の勘所だな
あと思う部分が含まれていたので、無粋に補足コメントを。
http://d.hatena.ne.jp/myrmecoleon/20071024/1193239434
http://d.hatena.ne.jp/myrmecoleon/20071029/1193665043

そもそも精度・再現率(Precision, Recall)は「数字」による表現だか
ら「客観的」(なものだ|のように見える)という誤解は根強いのです。
しかし、これらはそもそもが判定者の主観に頼る数値であるという大前提
があるし、値そのものにも意味はそれほど無いので、要注意。

一般論を言えば、特に文書群が均一でなかったり、対象コンテンツが同一
でないものを比較する場合には、数値的な比較をおこなってはいけません。

私がNTCIRプロジェクトに関わっていたときも運営の先生方みなさんが、
口をすっぱくしておっしゃっていたのは、評価結果はあくまでも、同一コ
レクション・同一検索質問を使ったときの相対的な比較にのみ、意味があ
るものですよということ。

たとえば、よく見うけられる誤りは、GoogleとYahoo!の同一検索式による
ランキング結果にもとづいて「Googleの方がYahoo!よりもP@10で20ポイン
ト上回っていました」と単純に報告してしまうもの。両者のサーチエンジ
ンは、クローリングその他諸々の要因によってデータベース内容そのもの
が異なっていて、かつその違いそのものを定量的に測ることが困難といっ
た特徴を持つので、数値として比較はできてもその比較がどんな意味を持
つかを意識しない限りは無意味になってしまうと思う。

つーかこういう研究って前例あると思ったら,タグ検索同士の比較ってあんまりないんですね。(海外の方は十分見てないのであるかもだけど)国内には別種のソーシャルタグの検索精度を比較するような研究は見つけられなかった。

前述の点を考慮すると、こういった研究が見当たらないのは、ある意味で
はしょうがない現象で、現に稼働している異なるシステム同士を比較する
のは、相当に難しいと思う。前提条件をいくつか制約として置かないと簡
単には比較できないからじゃないかな。

ちなみに、元記事の方で、

*2:ただしタグの全動画を確認するのは困難なので,タグ検索のデフォルトである「コメントが新しい」で表示されるもの(最大30件)を対象とした。
*3:上記と同条件。こちらはタグの注目エントリから取得で同じく最大30件

として、上位30件の適合判定を行っているが、これはIR研究の領域では上
位n件でcut-offしたランキング結果で評価を行う手法、''Precision at n''
と呼ばれる。今回は n=30なので、Precision at 30; P@30 と略記される
ようなランキング評価指標にあたるのだと思う。Web検索では、一般には
P@10みたいな指標がよく使われるし、場合によってはP@1みたいな極端な
値もよく見るものではあるが。
ちなみにWeb検索以外の新聞記事検索などの古典的な検索タスクでは、各
適合文書出現時点のPrecisionを平均した平均精度(Average Precision)
がよく使われます。

あと、いわゆる図書館情報学におけるRecall/Precisionへの言及は、文書
集合に対するものをベースとした、かなり古典的な問題設定領域に限られ
ていて、講義などでは、文書ランキングの性能評価という話までは到達で
きないのかなあという気はしてます。
「適合度順ランキング型システム」は、わざわざこういった言い回しをし
なくとも良いほどに普及しているのだから、本来は教科書なんかでも、そ
の評価手法についても定義や用法について細かな言及があってしかるべき
だとおもうのだけど、そういった観点に詳細に述べたものはほとんど見当
たらない気がする。
# 私も学生の時分はほとんど理解してなかったので偉そうに言えるような
# ことでもないが…。

で、本題に戻ると、まあ偉そうなことを言っても、そもそも
Recall/Precisionで計測されたものが現行サービスの使いやすさにどれだ
け貢献しているかすらも、実は分かっていない研究課題の一つなので…。
なにげに実はこうやって、地道に実サービスの計測を重ねていくのも手な
んじゃないかなあという気はします。たぶん1年くらいがんばれば、修論
くらいには余裕でなりそうな気はしますよね。
どなたかやってみませんか?

2007-10-29 Mon

2007-10-28 Sun

* らも [book]

2004年に亡くなった作家中島らもの妻が書いた回顧録。

ちなみに、タイトルは「らも」となっているが、中島らもの半生を振り返
るというよりは、その妻から見ての半生記なので、主人公は著者自身となっ
ている。

かなりぶっとんだ半生をそのまま振り返っている。

クリエイティブな才能の発露と煙草、酒、女、クスリとの関わりについて、
ぶっちゃけた内容。まさに「遅れてきたLove&Peace」といった印象を抱い
た。
興味深い時代の証言ではあるが…。

個人的には、高校の時分に「ガダラの豚」を読んだかなという記憶がかすか
にあるくらいで、中島らもの作品そのものをさほど読んだ記憶がないので、
いまひとつ内容に実感がわいていない。
中島らもの読者層に向けて書いていると思われる記述も多々見られるので、
そのあたりは完全にスルー。。。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-26 Fri

2007-10-25 Thu

* 学歴と格差・不平等 [book]

学歴社会が社会に及ぼしている影響を計量社会学の手法で解説。

筆者は社会学の立場から「学歴」が現代日本社会にどのような影響を与え
る要因となっているかを、おもに社会意識調査による膨大な経年データを
元に分析している。特に、「学歴」を否定するのでも肯定するのでもなく、
ひたすらその相関分析、要因分析として、客観的な分析につとめている。

その上で、現代日本を戦後期からの高学歴化の波が落ち着き、親子世代間
での平均学歴に差がなくなりつつある、「成熟学歴社会」に入った段階で
あるとして、その立場から旧来の学歴社会議論とも近年の格差社会議論か
らも、離れた分析とモデルを提供しようとしている。

分析結果としては、学歴化そのものが進行していた時点においては、学歴
そのものが持つ機能性が人々をより上層の高卒・大卒への導いていたもの
が、一定段階にいたった現在ではそれほど機能性が働かなくなり、別の要
因による学歴の膠着化が進んでいるらしいという分析を示している。
この中で、世代間での学歴の影響はそれなりにあり、親が大卒層の場合に
は子世代も大卒層、親世代が非大卒層の場合には子世代も非大卒へと導か
れやすいという傾向が出るなど、一種の世代間継承の様子を通して、合理
選択の結果としての、学歴下降回避モデルを提唱している。
また、社会階層が欧米ほど明確でない日本では、人々は学歴そのものを実
は一種の階層として取り扱っているのではないかという要因分析を行い、
社会意識の規定要因として、職業階層や世帯収入などと同じか、場合によっ
てはそれらよりもやや大きい要因として学歴が影響を与えているという分
析を示してもいる。

そもそも当方は日本の大学進学率の推移が50%程度で膠着化しているとい
う事実すら知らなかったので、なかなか興味深く読んだ。ただ、はじめに
想像していたよりも学術書として緻密な分析がそのまま述べられていて、
生データの統計的解析による比較検討を加えているため、社会計量学に素
養のない当方としてはその展開にややついていくのがおぼつかない部分も
あったのがやや残念。記述そのものは平易で随所に門外漢向けにも注釈を
加えているため、初心者でも論旨は追いやすいように思う。また、学歴そ
のものが社会的意識を規定している大きな要因となっているという主張も、
すんなり納得を得られやすく、いままで誰もこの点をついた研究をしてい
なかったのは、なぜだろうと思うほど。学歴中心主義として社会分析の一
モデルとなっていくのではないかなという気はした。ただし、ライブの現
代社会そのものを切り取ってきて分析を加えているわけではないので、本
当にこれらの分析が今後の傾向とも合致したものとなるかは不明。また、
社会意識調査で扱っていない項目についての分析もできないので、そういっ
た場合には分析手法そのものでもそれなりに補正をくわえる必要があるな
ど、この研究分野そのものの面白さと難しさを垣間見れたのもよかった。
あとは、著者も最後に述べていたとおり、現実社会へのフィードバックと
いう意味での制度論・政策論への展開は今後の課題だろうか。

読みながらなぜか、2001年に韓国旅行に行った際に、現地の方に聞いた話
を思いだした。彼によれば、韓国でも学歴社会は強いのだけど、男性は徴
兵があって同じ学年の人だとしても大学入学がずれたり卒業はもっとずれ
たりするので、他の人に学年を聞くときには、まず高校卒業の年を聞くと
言っていた。そういった素朴な同世代意識とか、学歴意識というものは日
本のそれとかなり似ているのだろうけど、そんな社会背景や制度の影響も
あったりして、分析はなかなか面倒そうだなあという印象も受けた。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-24 Wed

* iLisWave-Jのおかしなフォント指定

http://software.fujitsu.com/jp/ilis_univ/wavej/
富士通の図書館管理システムだけど、最新バージョンのOPAC検索結果画面
のフォントがなぜかおかしな指定をしていることに気付いた。

例えば、現象を確認できたのは、大阪教育大学, 北見工業大学, 杏林大学,
福岡教育大学, 東京医科歯科大学, etc.
(カスタマイズしているところもあるようで、導入館すべてで起きている
わけではないようですが)

これはopac_green.css 中で指定されている以下の記述が原因:

.lst_value {
  color:#000000;
  font-family:'Arial Unicode MS',sans-serif;
  font-size:90%;
}

上記のうち、
  font-family:'Arial Unicode MS',sans-serif;
の指定はあきらかに日本語フォントではない、'Arial Unicode MS' を指
定しており、日本語利用者への対応を標準とする際のデフォルト指定とは
そぐわない設定となっているように思う。
  font-family:sans-serif;
と sans-serif だけにするか、font-family指定そのものを外したほうが
よさそう。

なお、'Arial Unicode MS' は、現在のところ Unicode にもっとも広く対
応したフォントだけど、日本語フォントの見栄えが悪い点、Microsoft社
のOfficeをリリースした環境でのみ、表示できるという特徴があり、多く
のユーザが利用する環境で標準指定するようなものとはおもえない。

たとえば、'Arial Unicode MS' 指定しない場合、ユーザ標準のフォント
を使うため、利用者が使い慣れた環境のまま利用できるという利点がある。
(利用者が使いやすいように自分で設定した環境をそのまま使える)
一方、'Arial Unicode MS' をはずしてしまうと、おそらく比較的古い
(Unicode未対応の)OS環境やブラウザ環境によっては、文字化けが発生
する可能性があるのではないかとおもう。
→ OS: Win9[58], WinME, Mac OS 9 ??
→ ブラウザ: IE4,5, Netscape 4 ??

詳細な環境毎のチェックはしていないが、富士通はおそらく開発段階もし
くはどこかの館への納入段階で、Unicode書誌の表示に問題が起きること
を認識して上記の設定を標準としたものと推察されるが、それに対処する
ためにはあまりにも泥臭く稚拙な処理にすぎないではないだろうか?なに
より、これらの設定を顧客にそのまま提示し、採用させてしまうことは長
期的には社の不利益になるはずとおもうのだけど。。。

また逆にこのような図書館システムをカスタマイズしないまま導入してし
まう図書館側にも問題がありそう。このあたりは Next-L などでの課題で
もあるのだろうが。
(しっかし、このあたりはシステム開発の問題ではなく、純粋に初歩的な
HTML+CSS だけのレベルなので、普通にWebサイト運営していれば、原因と
対策に気付きそうなものだが。。。)

ちなみに、京大図書館はこの画面をカスタマイズして 'MS UI Gothic' を
指定している。まあ、Arial Unicode MSよりはマシという判断だろうか。
まあ、これにしたところで、あまり意味がある指定とも思えないが。。。
https://op.kulib.kyoto-u.ac.jp/webopac/catsrk.do

なにはともあれ大きな予算が動くシステムがこういった不思議な設定を残
したまま運用されていることにビックリ。
くわばらくわばら。

* 名刺発注

この間の図書館情報学会の研究大会で配ってしまってほとんど残ってない
ことに気付いたので、50枚セットを発注。
http://card.hankoya.com/

前回の発注は約1年前(2006-11-09)。
もうちょっと、どしどし配りまくらないとダメかしら…。
Referrer (Inside): [2008-06-16-3]

* 人類はなぜUFOと遭遇するのか [book]

「UFO神話」の形成過程を丹念にまとめたもの。

第2次大戦後、奇妙な飛行物体の目撃から始まり、飛行機等の既知の物体
とは異なる動作をしているのではないかという予断から、UFO=「異星人に
よる乗り物」ではないかというストーリーが徐々に形成され、それに影響
されて、新たなストーリーが想像されていく過程を一種の神話としてとら
えてまとめている。

著者は飛行学史を専門とする作家だそうで、UFOとはあまり関連しない分
野で活動していたそうだが、本書では年代ごとにUFO目撃談や著名な事件
をひとつずつ描いている。

初期には単なる目撃談だったものを広範に調査した結果、なんらの異質性
は確認できないとの結論が出ているにもかかわらず、冷戦当時の防空機密
との関連から全ての情報が公開されなかったため、その間に憶測や捏造行
為によって、多くのUFO事象が作り上げられたとのこと。
それと並行して、テレビや映画、ラジオを通じて、事件の構図やシナリオ
が共有されていくと目撃談やストーリーが少しずつ明確になってくるとい
う神話の再帰的な生産の過程がよく分かる。
また、いったん包括的な報告が行なわれたとしても、やベトナム戦争以降
の政府への見方など、多くの要因がからんで、陰謀論やカルト的な動きに
よって、結局UFO神話がながらえてきたという結果も興味深い。
さらに、20年・30年を経て、発生直後に否定されていた事件・目撃談が、
なんども言及されることで再生していく過程など、神話とのモチーフとし
ても面白い。

私自身、小学校時代にはオカルトブームがあり、UFO関連の書籍やテレビ
番組を多く見た記憶があるが、それらはすでに陰謀論がUFO事象の中でも
大きな存在となっていたものであった。神話の形成過程を見ても、目撃談
の相当部分は映画やテレビ番組、SFなどの影響を受けているし、実体験と
してもそう言えなくもないかなという感を強くもち、UFO事象そのものが
メディアリテラシーの良い題材なのかなと思った。
しかしもう一方で、このような神話はいつの時代も作られうる可能性があ
り、神話がつくられてしまうことそのものは止めようがないのだろうなと
も思った。

ひとつだけ難点をいえば、UFO事象そのものとその調査活動などのUFO活動
家などとの関連を詳細に描いている分、当時の社会的な雰囲気が「UFO神
話」を産んでいったという結論の部分に至るための説明、描写がやや弱い。
逆に言えば、このあたりをどう見るかは読者にその判断をゆだねている部
分なのかもしれないとも感じた。また、米国以外の状況はほとんど出てこ
ないので、これをそのまま日本などに適用してよいのかは疑問。同様の書
を日本の状況に照らして書いてくれるひとがいないかなーとか思う。

あとそもそも、なんでUFO神話は第2次大戦後から始まっているの?という
疑問には答えなくてもいいのだろうか。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-23 Tue

* First step towards long-term lifeloggin

今日は職場でDublin City UniversityのCathal Gurrinさんのセミナーが
あり、講演を聴講した。
cf. http://www.computing.dcu.ie/~cgurrin/

SenseCamというライフログ用のデバイスのα版をMicrosoftを出していて、
彼の大学のプロジェクトではそれを9台使って、いろいろ実験しているら
しい。講演者はここ2年くらい、朝から晩までそのデバイスを自分の身に
着けて写真を撮りながら、生活しているらしい。
cf. http://research.microsoft.com/sendev/projects/sensecam/

1000枚程度のランダムサンプリングによる評価では、4割は使えない写真
だけど、残りは何らかの意味で使えそうな意味の取れる写真になってるら
しい。そのうちでも4%くらいはアルバムに残したいようないい写真だった
そうな。
特に、一日に撮った写真の中からイベントを自動認識して、そのイベント
内の重要な写真を数枚選んでブラウジングできるようにするツールを作っ
ているらしい。

やっぱ、ライフログはおもろいねー。
自分も、小型デジカメを携帯して、頻繁に撮ってアルバムとして載せてい
たけど、撮ってから載せるまでが面倒で、最近は撮影も更新もできなくなっ
てるので、こういったデバイスが手元にあったら、すぐにでも使いたい!!
ソフトウェアは自分でいくらでも手作りするので、誰かくださいな。
^_^;;

あと、講演者は発表中もSenseCamをそのまま着用していて、おれは一番前
に座ってたから、間違いなく写りこんだのではないかとおもう。

2007-10-22 Mon

* りんごは赤じゃない [book]

公立中学校の美術教師による教育法を追った物語。

全く知らなかったのだが、徹底したスケッチによる基礎教育と調べ物学習
とを組み合わせた授業で高い成果を上げたとして、注目をあびたものらし
い。

特に、調べ物学習の導き方が興味深かった。これは着眼点さえしっかりで
きれば、観察、調査、描写といった活動がいつでもどこでも場所を問わず
に行えるという美術教科ならではの良さを活かした教育なのかなという感。

ただし、教育法そのものの記述というよりは、教師の教育への姿勢や意気
込み、集団指導の手法の方が主体となった記述のように思う。あと、やや
文体が情緒的で大袈裟な描写が気になる部分も多いと思った。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-20 Sat

2007-10-19 Fri

* PostgreSQLインストール

PostgreSQLの最新版8.2.5をインストールしてみる:

% tar zxvf ~/src/postgresql-8.2.5.tar.gz
% cd postgresql-8.2.5
% ./configure
% make
% make check
% sudo make install

% sudo cp contrib/start-scripts/linux /etc/init.d/postgresql
% sudo chmod a+x /etc/init.d/postgresql
% sudo chkconfig --add postgresql

% sudo vi /etc/csh.cshrc
--- /etc/csh.cshrc.bak 2007-02-03 08:42:44.000000000 +0900
+++ /etc/csh.cshrc 2007-10-19 21:49:08.039127408 +0900
@@ -2,7 +2,7 @@
 
 # System wide environment and startup programs for csh users
 
-setenv PATH "${HOME}/bin:/usr/local/teTeX/bin:/usr/local/ant/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/lib/R/bin:/usr/local/bin:/usr/java/bin:${PATH}:/usr/X11R6/bin:/sbin:/usr/sbin"
+setenv PATH "${HOME}/bin:/usr/local/teTeX/bin:/usr/local/ant/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/lib/R/bin:/usr/local/bin:/usr/local/pgsql/bin:/usr/java/bin:${PATH}:/usr/X11R6/bin:/sbin:/usr/sbin"
 
 # Load system default language.
 if (-f /etc/sysconfig/lang) then

% sudo useradd postgres
% sudo mkdir /usr/local/pgsql/data/
% sudo chown postgres:postgres /usr/local/pgsql/data/
% sudo -u postgres initdb -D /usr/local/pgsql/data

Ruby拡張もインストールしておく:

% sudo gem install postgres-pr

* 仕事で燃えつきないために [book]

「燃えつき」症候群とその回避のための解説書。

「対人援助職のメンタルヘルスケア」と副題にあり、福祉・介護といった
分野で頻発するもえつき症候群への対応を主目的としたもののようだが、
職種を限定した話題はそれほど多くなく、むしろ、他の職種であっても、
他者との対人コミュニケーションを多く必要とする業種の多くに適用でき
る内容のように思える。

チェックリスト付きで全134ページと短く、内容もとても平易でやわらか
い文体で解説しているので、燃えつきに近い症状を感じたり、回りにそれ
に類する症状が見られる環境にある人がさっと読めて対応を考える材料と
するためにはとても良い本だとおもう。

* 消費者理解のための心理学 [book]

消費者行動研究の概説書。

しばらく前に「なぜこの店で買ってしまうのか」を読んでから、購買行動
の研究に興味を持ったので読んでみた。
cf. Amazon:4152083352

既存の研究を購買行動、消費行動、外的要因との関連などの諸要素に分け、
広く解説している。

消費後行動などあてはまらないものはおいておくとしても、購買行動研究
は現在のWeb上でのページ閲覧行動や、サービス利用行動と相当に似た要
素を強く持つものであると思うので、消費行動としての心理学的側面から
の分析の既往研究の中には、こちら側での研究に使えるツールや理論が相
当に含まれていそうだという感をあらためて強くした。

また、本書中でも購買前行動の一つとしてではあるものの、情報探索行動
を大きく取り上げたうえで、そこで考えるべき視点をまとめている点は参
考になるし、意外なほど扱いが大きいような気がした。

一方で、1997年刊行ということはWeb普及黎明期にあたり、Web上での購買
行動といった新しい購買活動の研究については全く取りあげられていない
ので、その点のレビューについては他をあたる必要がある。
なお、通信販売等のやや類似した活動くらいは出てくるかとも思ったが、
特に扱われていなかった。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-18 Thu

* PORTA (NDL Portal)

http://porta.ndl.go.jp/portal/dt
ユーザ登録しようとおもって、登録確認メールから飛んだ先で確認ボタン
を押したらエラーが出た:

Request Entity Too Large
A request entity is longer than the server can handle.

ユーザ登録依頼殺到中かしら…。

[2007-10-19 追記]
なんとか登録できた模様。

しかし、この画面遷移のたびに全てのモジュールを再読み込みするのは、
なんとかならなかったのかしら!?
せっかくのAjax風味が無意味なので勘弁してほしい…。

* CONTENT'S FUTURE [book]

テレビ、ラジオ、音楽など各業界の現場の方を対象としたインタビューと
対談から構成。

副題に「ポストYouTube時代のクリエイティビティ」とあるとおり、主な
話題はインタネット上での電子化が急速に普及した中で、現場の制作者が
どのような対応を迫られているかという話で、消費者・行政なども含めた
広い意味での利害関係者たちがどのようにそこに関わっているのかを議論
している。
また、単なる対談記録にとどまらず、その中で出てきた個別の用語や事象
についても大変詳しい説明を脚注として提供しており、コンテンツ業界で
のやりとりに用いられる用語や話題にさほど詳しくなくとも、理解を深め
ることができるよう配慮されている(きちんとまとめれば、コンテンツ・
ネットワークに関わる事典という形で一冊の本になりそうなほど…)。

対談全体を読むと、十把一絡にコンテンツ産業といっても、テレビ、ラジ
オ、音楽それぞれの業界の成り立ちや歴史的・文化的な背景が異なるため、
それぞれの業界毎の立ち位置が微妙に違う点がすけて見えてくる。
たとえば、テレビ業界は巨大な広告産業からの投資によって、インタネッ
ト上でのコンテンツ配信の動きには鈍感であったり、そもそも眼中になかっ
たりという立ち位置にある一方で、その隣にいるような立ち位置のラジオ
業界はテレビ業界に巨大広告は奪われた一方で、自由で先進的な取組みが
相対的にやりやすい位置におり、それらをインタネット上のポッドキャス
トやネットラジオと結び付けようとする動きもあるとのこと。音楽産業は、
レコード会社が大きな部分を占めることで、アーティストたちの横の連携
がうまくとれず、なかなか統一的な動きとして対応できないし、また、先
鋭的な活動をおこなっていても、インタネットそのものによる恩恵はそれ
ほど受ける必然性を感じていないし、むしろ、先鋭的な芸術の現場にいる
人たちほど、ネットワーク上の電子コンテンツとの関わりに対する意識は
薄いのではないかという議論はなかなか興味深かった。

また、いずれの業界にも関連する話題として「著作権」を議論の中で持ち
出しているものの、それぞれの業界毎の事情もあり、議論はあまり深まっ
ていない雰囲気を感じた。これはこれで現段階での貴重なまとめになりそ
うな感じではあるが。

コンテンツ政策行政に関わってきた中村伊知哉(慶応大学教授)が対談の
中で、今後のコンテンツ著作権の考え方として、「(技術的な流れが流動
的でコンテンツが多様化する)今後10年ほどは暫定的な合意を積み重ねて
いけばよい」という提言も挙げていたが、これは現実的なものに思う。
著作権に関しては、保護期間の延長、無許諾コンテンツダウンロードの違
法化といった課題が現実のものとして、政策決定が間近に迫られており、
つい先日にもニュースになったばかりで、今日、著者の津田、小寺は、そ
れらの法制化に反対する活動として「Movements for Internet Active
Users (MIAU)」なる団体を設立した模様。 cf. http://miau.jp/
今後のコンセンサス形成の過程と、著者らの実質的な活動にも注視してい
きたい。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-17 Wed

2007-10-16 Tue

* 風邪気味

週末の学会往復の疲れが抜けず、だるさが残る。

風邪かも…。

* 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? [book]

論評の難しい本だが、2ちゃんねるを長年運営している著者が思うことが
らが、多方面に渡って書いてあるエッセイ。

特に、インタネット上で展開されるサービスの現状と今後、社会との関連
といったことがらには、筆者独特の考え方と肝の座った論評がなされてい
る点で興味深い。しかし、口述筆記という文体上の特徴もあり、議論全体
はそれほど緻密なものとなっておらず、言いっぱなしという印象も受ける。
まあ、そのあたりがこの本と著者の魅力でもあるのだろうけど…。

その「いいかげんさ」を許容できるか否かが、この本の評価と直結しそう
な気はします。
ちなみに、私には合わないのだろうなあというのが正直な感想です…。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-15 Mon

2007-10-14 Sun

* 第55回日本図書館情報学会・研究大会第二日目

昨日([2007-10-13])にひきつづき、面白い発表がいっぱいだったので、
手元のメモから再現:

・OPAC画面における視線計測:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#22
法学部生の被験者32名に3検索課題を遂行してもらった際の視線軌跡を分析。

今回の大会の中ではもっとも気になっていた石田さんの発表。
いま手元でやっている研究内容を一段進めたような内容なので、実験手法
および分析手法が大変参考になった。

あとで個人的にお話を聞いたかぎりでは、分析そのものが大変で、なかな
か思うような結果が出てこなかったとのこと。パフォーマンスとしての正
解率が25%というような質疑があったように、思ったような結果がなかな
か出てこなかったなど、まずはやってみたという段階の模様。
分析そのものも3課題のうち1課題分についてのみで、さらに2画面での模
様を分析したところまでにとどまっているようなので、今後に期待。

気になった点としては、検索タスクや学習効果の影響がどのくらい関わっ
ているのか、他の検索課題との比較など。

追加分析もこれからすこしずつ出てくるだろうから、今後の報告が楽しみ。

・ケータイ用OPACの利用意向調査:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#10
携帯電話向けOPACに対する学生の利用意向調査のアンケート結果の分析。

携帯検索エンジンの使用経験の差や文系・理系の別によって、利用意欲に
差が出ているなど、興味深い内容。今後のサービス提供に向けての基礎的
な調査結果として興味深い気はする。

気になったのは、個々人の日常的な利用傾向や、どういったキャンパス環
境で用いるのかといった傾向を同時に述べないと、うまく説明が付けられ
ないのではないかという点が気になり、一部質問で聞いてみたが、なかな
かうまくつたわらなかったようで、申し訳なく感じた。

・情報探索におけるプランニングの影響:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#15
寺井さんの発表。
94人と大規模な実環境での実験によって、貴重なデータが得られている。

探索のためのプランニングとして、探索課題の遂行前にあらかじめ、探索
に役立ちそうなキーワードを列挙したり、役立ちそうな情報源を列挙した
りする。プランニングの影響を調べた限りでは、ほとんど明確な差は出て
いない。しいていえば、新規キーワードの投入率で交互作用が出ているく
らいで、これ自体は興味深いものの、考察はけっこうややこしいことになっ
ている雰囲気。

ただ気になったのは、特に「情報源のプランニング」に対しては、プラン
の質を考慮する必要があるのではないかという気がして、学部学生による
Noviceのプランニングを使っても、結局意味はなく、ほとんど目に見える
ような成果につながらないのではないかという気はする。もう少し、きち
んとした(プロの)プランを使用した際にどのような結果が得られるのか
など、比較があると説得力が出そうかなという気はする。

・ILLログデータの分析:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#18
ILLログ分析研究の続編。
2006年度にNACSIS-ILLの依頼総件数が、初の減少に転じ、これは複写件数
の減少からきたもので、洋雑誌の包括契約の影響が顕著であるとの既存研
究の報告を踏襲する内容。
今回はミクロな部分まで分析するということで、館種毎・雑誌毎の経年変
化を見るという研究。

質疑では、そもそも「ILLは今後どうなっていくことが望ましいのか?」
といった、根源的な質問が出て、いろいろと盛り上がった。。。
(これは、発表のなかでILLが持つ互助的なシステムは、非包括契約のバッ
クファイルなどに対し、まだ機能している部分を残していることを確認し
たとの報告に対するもの)
個人的にも、本当に「機能」させつづけていくことが重要ではないのでは
ないかという気はしますが…。この辺はただ単に言葉使いの問題という気
もしてますが。

・NACSIS-CATにおける単館所蔵などの調査:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#30
単館所蔵、重複所蔵に、どのような館種・大学群が寄与しているのかとい
う調査。

CAT全体では39.8%が単館所蔵になっている。日本語書籍の割合は2000年以
降増加傾向にあり、45.8%程度を占める。

質疑では、大学の学生総数や学部数など、もう少し変数を増やして分析し
ていく必要があるのではという点の指摘があった。

□総会&学会賞授与式:

・BIBLIS for Web
公開促進費の応募に外れたので、今後の更新作業が困難に。
今後、説得のためにも、もう一桁多いアクセスが欲しい。
多くの利用を望む。

・学会賞
学会賞2名、奨励賞2名、学会貢献賞1名の計5名の表彰があった。

学会賞のうち一件は、谷口先生がこれまでの多くの業績(JASIST×6?,
JDoc.×1?)をまとめた学位請求論文としてまとめた成果に対して賞が授与
された。その受賞者による言葉としておっしゃった言葉がとても印象的だっ
たので、手元のメモから再現する:

「自分の研究は20年かかったが、まだまだ小さな足跡しか残せていない。
... 若い人たちにはこのような結果をかるがると乗り越えるような気概と
成果を期待したい。自分もできる限り、それにはりあっていきたいと思
う。」

積年の大きな研究成果を謙遜されながらも、力強く研究コミュニティに向
けて、さらなる前進を呼び掛け、さらに自分自身もそれに立ち向かってい
くという決意に、研究者としての自負と生きがい(まさに気概)を感じる
ことができた。なんだか鳥肌の立つ思いを感じたことだけ付記しておく。

□図書館情報学におけるEvidence based approach(シンポジウム):

・池内: 昨年度から運営しているEBAワークショップの概要紹介
・酒井: 欧米を中心としたEBMからEBLIPへの動きを紹介
・永田: 図書館経営におけるエビデンス
・寺井: 探索行動における実践の場でのエビデンスの収集
・市古: フォーカスグループインタビューによる利用者調査
・小島: エビデンスに基づく劣化資料調査

多士済々の顔ぶれでかなり面白い発表が続いたが、あまり私自身の中で
「エビデンス」概念を整理しきれていないため、消化不良をおこしてしまっ
た。研究と実践を結び付けるうえで、どのような調査報告が行われるべき
かというエビデンスを作り出すための活動と、エビデンスを活用するため
の手法とのどちらもが、まだ手つかずの状態で切り分けもうまくできてい
ないのではないかという気がする。

終了後に個人的にいろいろと考えてみたのだけど、EBM(医学系)との比
較で言えば、臨床の現場に相当するであろう図書館の現場での調査報告が
うまく共有できるしくみを考えない限り、それほどうまくは回らないので
はないかという気がする。医者の業界は臨床系・基礎研究系という切り分
けがあるわけではなく、その両者をこなす人たちをかかえていることが一
種の強みで、だからこそ、臨床症例の報告がエビデンスとして活用してい
けるのではないかという気はする。今回の研究大会でも、図書館からの実
践報告に近い内容はそれほど多く見られず、これらをどう増やしていくか、
検討の余地がありそうな気はしている。
Referrer (Inside): [2008-04-01-1]

2007-10-13 Sat

* 第55回日本図書館情報学会・研究大会第一日目

http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/

なぜか司会補助の役目をおおせつかっていて、似合わないとは思い、いろ
いろ失礼をしたのではないかとかなり不安になりつつ、懇親会ではご無沙
汰の人々と楽しく内部事情をうかがいつつ語らうという展開。。。

司会を割り当てられていることもあり、第2部会にずっといたが、肝心の
発表内容としてはいろいろと興味深い内容もあった。

以下、とりあえず手元のメモより再現。

・出前図書館:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#02
大学図書館の利用者の増加および接点を求めるために、学食に出前図書館
と称して一種の移動図書館を開設したという話。

図書館による企画力・テーマ選定能力の強化というのはこれからの重要な
主題だとおもうので、こういう現実的な図書館機能の強化の話題が普通に
なっていくとよいのかとおもった。発表自体としては、もうちょっと近隣
の図書館との関係や、対象利用者の図書への親近感がどのくらいあるのか
といった分析も加味して話題が展開されると貴重な発表になるかなと思う。

・大学図書館における外国語Webページ:
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#29
日本の大学図書館が提供するWebページのうち、英語ページにおける情報
提供内容を分析。

図書館の提供している内容と、対象とするであろう利用者のニーズとがか
みあっていないのではないかという重要な問題提起を含むもので興味深かった。
とりわけ、英語Webページの提供が、誰を対象としたものであるのかを把
握しつつ行うかが難しいところがあるように感じる。ただ、今後の課題と
して説明していた通り、学外・学内の区分、および国内・国外の区分など、
想定する利用者層がそれぞれの図書館ごとに異なると想像され、それらを
どのように整理するかが今後の課題だろう。おそらく、学習および教育支
援、研究支援といった形で類型化された中で展開される図書館像を分析す
る形になるだろうと想像され、異なるレベルのニーズのすれ違いといった
話題を整理していく話になるのではないかと思われるという意味では、今
後の展開が楽しみな研究のように思った。

・科学技術情報の流通
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#14
学術情報流通の機能および要素をまとめながら、昭和初期から開始された
抄録誌「日本化学総覧」を事例にとり、科学技術情報の提供と公的機関に
よるサービス提供の流れの歴史的経緯を分析。

とりわけ前段の学術情報流通の整理とその展開のまとめが興味深かったも
のの、その後の事例報告がすこし粗くなってしまっている雰囲気で、いろ
いろとツッコミをうけていたが、逆に、学術団体によるサービス運営の撤
退事例とか、そういった雰囲気としてとらえると今後の参考になるとか、
面白いのではないかと、門外漢の目からは見えた。

・アレセイア
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#25
これまでもPDF学術論文の同定で多くの研究報告を行ってきたグループが
いよいよ検索サービスに踏み込んだ内容。

54万件のPDFファイルを学術論文として検索するという内容だったが、
学術文献を検索するという意味では、Google Scolarと遜色無いレベルの
精度を出せるという話で、これまでの研究の一種の集大成としては重要な
話であったように思う。アレセイアという検索エンジンの名前も印象的。

ただ、これまでやってきた「学術論文の同定」という話の延長で話が進ん
でいるため、検索そのものの話が少なく、やや残念だった。また、サービ
スとして展開するという場合に必要となる収集レベルの研究もこれからと
いう話なので、もうちょい突っ込んだ話になると面白いのではという感じ
をもった。

・図書館職員のフォーカスグループインタビュー
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#32
図書館職員のフォーカスグループインタビューの内容を書き起こし、質的
分析を加えた報告。予稿の内容以外には、KeyGraphによる分析を報告。

なんだかインタビュー内容が、やけにネガティブな内容に偏っているのが、
気になった。現職の図書館員に話を聞いたら、もう前向きな話は出ないの
かしら…。苦しい胸の内は分かるにしても、理想形を現実に展開していく
という話をしてもよいのでは…という気はします。

・重複レコードの同定
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#01
谷口先生による発表。
書誌レベルと、文献タイトルページの内容コピーOCRテキストを用いた、
重複レコードの自動判定実験の報告。

今の職場での仕事の一部に同定の仕事があるので、とっても興味深い内容。
書誌要素単位でのマッチングとして、どの要素がどれくらい寄与するかを
実験した結果を報告されていて、参考になる。特に、表紙・裏表紙ページ
のOCRテキストを重複判定に使ってもあまり精度向上に寄与しないという
のは、一面では意外でもあり、その要因がどのあたりにあるのかは今後の
報告が楽しみでもある。

どこまで論文などの別のスキーマを持つレコードに役立つかは不明だが、
いろいろな方向から実験してみるという意味では重要な報告ではないかと
おもう。

・アーカイブ人名典拠
http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/docu/okada_lab/jslis55/abstracts.html#24
図書館・文書館・美術館など館種をまたいだ人名典拠のあり方を設計する
という野心的なもの。

とりあえずはNDLの人名典拠をベースにするのが現実的ではないかという
提言や、それぞれの典拠ファイルをクロスウォークしていくためのエレメ
ントセットを設計していく方向を狙っていくという意図はおもしろいが、
どこまで実現できてくるかという意味では今後が勝負の研究かなといった
雰囲気。ただ、日本の典拠をどう盛りかえしていくかという意味でも、あ
まり猶予はゆるされず、著しい進展が期待される分野でもあるかな…とい
う意味では厳しいものも感じる。
Referrer (Inside): [2007-10-14-1]

2007-10-12 Fri

* Hiki

某所で使い始めて、移動機能が無いことに気付いた。

ページタイトルを任意のものに置換する機能があるから、ページを新規作
成する際には、できるだけ汎用的なものとして命名するよう気をつけて、
あとからページタイトルだけ説明的なものに変えるなどする方がよさげ。

どうしても必要なら、バックエンドがflatfileの場合、手でtext, info,
backupあたりを移動・置換してあげればよさそうだが…。

2007-10-11 Thu

* エイチエムアイ

夜10時過ぎに、HAMのナコシさんより電話。

住まいと暮らしについて話をしたいとはなしはじめるが、同居人がいると
いう家族構成の話をしたとたん、いきなり
「そこは一人暮らしで借りてますよね。」
「なんでそんな分かりやすい嘘をつくんですかー?」
と、人を嘘つきと決め付ける発言をしはじめる。
理由を聞いても、なぜか答えず。

会社の住所、電話番号について聞くも、「都内の会社」と言うだけで、あ
とは直接訪問して名刺を渡すのでの一点ばり。かたくなに教えようとしな
い。

あまりに失敬な態度に腹が立ったので、営業の者かと聞くと、「営業で電
話しているのではありません」と答えつつ、代表者だと答える。

あまりの無内容さにアホかとおもい、無視したりテキトーに相手をしてい
ると、「これからそちらに伺いますねー」と一方的に言い、電話を切った。

結局、本題に入ることもなく終わったので、何の勧誘だったかも分からず
じまい。住まいについて言及していたことからマンション販売・運用あた
りか、それとも単なるイタズラもどきなのか??


昔、つくばにいた頃にも勧誘を断ったとたん「向上心の無い奴だ」とか罵っ
てくる手合いがいたので、その類かなあとおもうけど。
バカにしたり罵ったりして挑発することで言うことをきかせようとするの
は、この手の輩の常套手段なのかしら。まあ、しょうもない奴だと思って
無視しても、どうしても罵倒の言葉は印象的で耳に残るというのはあるの
だろうなあ。よく人の心理をうまくついてるなあと、電話が終わってから
よく考えてるなあと感心してしまう。

* 暴走族のエスノグラフィー [book]

京都の暴走族に取材した結果から、暴走に興じる若者たちの実態を描くと
ともに、その背景にあるものを分析した好著。

1984年刊ともう23年前の出版だが、暴走族そのものがブームとなり、一番
活発に活動していたころの勢いも感じる。
世界的にもまれな日本の「暴走族」ムーブメントがどのようにして生まれ
たかを、以前のモーターサイクル族の歴史や、社会的イメージの醸成によ
る「演出」の影響を通じて描く。

ありがちな「受験競争からの落伍」「寂しさゆえの暴走」といった、一般
社会でありがちな分かりやすい解釈を排し、現場に即した暴走族論から、
暴走活動そのもの魅力と、マスメディアがムーブメントを劇場化・演出す
ることによって成立した類型化とその模倣という図式を描きながら、「魅
力-リスク」論や、「類型化と模倣」による様式化など、社会の中での立
ち位置の模索を分析している。

ただ、惜しむらくは、マクロな「暴走族とは何か」という疑問にこたえる
分析が主となっているため、暴走族との取材の過程のフィールドノートや、
個々の若者の活動を詳細に追うといったミクロなレベルのルポは、中心と
はなっていなかった。

* IPAフォント追加 [website]

TrueTypeフォントの表示テストツールにIPAフォントを追加しました。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-10 Wed

* graphviz2

すごい久々に使ってみたら、だいぶ勝手が違って戸惑った。。。

(おそらく)pango/cairoベースで柔軟な設定ができるようになった模様。

昔書いたメモをそのまま公開していると、誤解を招きそうなので、注意書き
を付すことにした。

以下のページなどに書いてあるのが参考になりそうなので、メモ:
http://d.hatena.ne.jp/bellbind/20070404/1175643383

2007-10-09 Tue

* csisv2+graphviz2

標準インストールで png が作成できない環境になってしまっていた…。

arno と比べてみると、gdk-pixbuf が無い模様。
さらに、gdk-pixbufをコンパイルしようとしても、glib-config とかが現
在のバージョンには存在しないのでエラーになってしまうという罠…。。。

しょうがないので、全て一からインストールしてみる:

% cd glib-2.12.13
% ./configure --prefix=$HOME
% make && make install

% cd pango-1.16.4
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME
% make && make install

% cd atk-1.9.1
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig:/usr/lib/pkgconfig:/usr/lib64/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME --disable-glibtest
% make && make install

% cd cairo-1.2.6
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig:/usr/lib/pkgconfig:/usr/lib64/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME
% make && make install

% cd pango-1.16.4
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig:/usr/lib64/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME
% make && make install

% cd gtk-1.12.10
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig:/usr/lib64/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME --disable-glibtest
% make && make install


ようやく graphviz2 のインストールへ:

% cd cvswork/graphviz2
% env PKG_CONFIG_PATH=$HOME/lib/pkgconfig:/usr/lib64/pkgconfig ./configure --prefix=$HOME --disable-perl
% make && make install

* IO#bsearch

ruby-bsearch を IO に対して有効にするだけのもの。

2年ほど前に書いたコード。
使わないと探し出すのに苦労するので、転記しておく…

class IO
   def bsearch_first_pos( left, right, &block )
      STDERR.puts "bsearch_first_pos" if $DEBUG
      while left < right
         self.pos = ( left + right ) / 2
         raise 'unexpected end' unless gets
         self.pos = left if self.pos >= right
         line = gets
         STDERR.puts "#{self.pos}: #{left} <-> #{right}: #{line.size}:#{line}" if $DEBUG
         case block.call(line)
         when 0
            right = self.pos
            if self.pos = left and line2 = gets and block.call(line2) == 0
               return left
            else
               left = self.pos
            end
         when -1
            right = self.pos - line.size
         when 1
            left = self.pos
         end
      end
      nil
   end

   def bsearch_last_pos( left, right, &block )
      STDERR.puts "bsearch_last_pos: #{left} #{right}" if $DEBUG
      while left < right
         self.pos = ( left + right ) / 2
         raise 'unexpected end' unless gets
         self.pos = left if self.pos >= right
         line = gets
         STDERR.puts "#{self.pos}:#{block.call(line)}: #{left} <-> #{right}: #{line}" if $DEBUG
         case block.call(line)
         when 0
            if line2 = gets and block.call(line2) == 0
               left = self.pos - line2.size
            else
               return self.pos - line2.to_s.size
            end
         when -1
            right = self.pos - line.size
         when 1
            left = self.pos
         end
      end
      nil
   end

   def bsearch( left, right, &block )
      result = bsearch_first_pos(left, right, &block)
      if result
         self.pos = result
         gets
      else
         nil
      end
   end

   def bsearch_list( left, right, &block )
      result = []
      lower = bsearch_first_pos(left, right, &block)
      upper = bsearch_last_pos(left, right, &block)
      STDERR.puts "#{lower.inspect} #{upper.inspect}" if $DEBUG
      if lower and upper
         self.pos = lower
         while self.pos < upper
            result << gets
         end
      end
      result
   end
end

2007-10-08 Mon

2007-10-07 Sun

* イノベーションの達人! [book]

イノベーションを呼び起こすに足る人材を10種の人材として類型化し、そ
れぞれに「人類学者」「ハードル選手」「舞台装置家」など特徴的な命名
をほどこし、その役割を解説。

出てくる事例はどれも興味深いが、逆に、もう少しストーリーベースで話
を進めた方が読みやすいようにも思った。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-06 Sat

* クラッシュ [movie]

全編にわたって人種問題にかかわるやりとりを提起した、いかにもアメリ
カらしい「社会派映画」。

5つほどのストーリーが同時並行する中で、極端な話題が展開されるのは
少し駆け足といった雰囲気もありつつ、ほどよい緊張感もあり、こんなも
のかといった雰囲気。

かならずしも、見ていて気持ちの良いストーリーではない点で微妙だった
が、これだけ極端なシーンを集めるのなら、日本を舞台にしても作れるだ
ろな…といったことを考えながら、すこし陰鬱とした感もおぼえた。

* 明文術 [book]

「理科系の作文技術」系の文章術入門。
小説等の「名文」を目指すものと対比させて、「明文」が必要とされる場
面、明文作成に必要とされる日本語作文技術を解説し、ルールとしてまと
めている。

例示されている文章による説明が分かりやすく、演習も付いているので、
良い練習になりそうかなとおもう。

* ペイ・フォワード [movie]

レンタルで観た。

『少女ポリアンナ』の「良かった探し」と似た雰囲気のストーリー。

オスメント君がまだ大人には遠いティーンエイジの年頃をキュートに演じ
ていて、演技もところどころで大人の名優達を食う勢いで、とても印象的。
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]

2007-10-04 Thu

2007-10-03 Wed

2007-10-02 Tue

2007-10-01 Mon

* ワーキングプア [book]

主にワーキングプア発生の原因やその実態を労働統計をまじえた解説した
本文と、個別のワーキングプア層への取材をまとめたコラム部分とで構成
されている。

解説の方はやや情緒に走りすぎているきらいがあり、読みとりが難しい。
もう少し抑えた文体で淡々と解説してくれたほうがよいのではないかとお
もう。

一方、取材記録にもとづく個別事例のコラム部分の方は、いくつもの事例
が当事者へのインタビュー肉声やワーキングプアに陥った経緯を中心に述
べられており、興味深い。こちらを主体に書かれた方が良かったのかも…。
Referrer (Inside): [2008-07-08-2]
Referrer (Inside): [2007-10-31-2]
サイクリング走行距離メーター
2001 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2002 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2003 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2004 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2005 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2006 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2007 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2008 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2011 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2012 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2013 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2014 : 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12