津本陽による、織田信長の生涯を描いた時代小説。
前から一度読んでみようとおもいきや、GWの帰省時のためにまとめて読ん
でみた。
独特の名古屋弁そのままのセリフまわしが印象的で、ちょうど帰省先での
方言と類似した部分もあり、工夫のあとを感じた。
中盤あたりから史料からの引用が多用される文体になり、性格描写やセリ
フまわしによる展開なども減ったため、小説そのものとしてのおもしろみ
は薄れるような印象を受けた。最後の本能寺についてもかなり淡白な描写
でほとんどあっけないような幕切れで、やや残念。
巻末の著者解説などを見ると、日経新聞での連載小説として書かれたとの
ことで、かなり苦心したとの著者の弁。
上記の印象も、連載小説ならではの余裕のなさからくるものか。。。