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まさおのChangeLogメモ / 2008-05-13

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2008-05-13 Tue

* 効率が10倍アップする新・知的生産術 [book]

知的生産性を上げるための方策として主に5つの方針をあげて、それぞれ
の技法を解説。

ノートPC・無線LAN環境をつかい、Googleメールといったデジタルツール
を前提とした知的生産の技法や、万歩計や体重測定器をつかった体調管理
など、現在の先端的な技術を活用した生産性向上のための著者自らの工夫
を述べているのが特徴的。

記述は明確で、例も豊富で分かりやすい。
参考文献がその都度あがっている点も良い。
エキスパートによる「フレームワーク」を使った情報のまとめかたなどは、
とても参考になる。
あと、「本の執筆は自己実現」という言葉は、それを果たした人ならでは
の印象深いものを感じた。

研究業で必要とされる問題解決のスキルは、著者の言う知的生産そのもの
なのか、普段に自分が無意識におこなっている情報行動を言語化されてく
るような感覚も一部でおぼえた。

多々ある提案のうち、自分があまりやっていないことで意識したほうがい
いかなあと思ったのは、人脈作りのあたり。もう少し積極的になってみる
のもよいのかなあ。
英語学習も最近はさぼっているので、再開したほうがよいかも…。
あと携帯端末も良いものを買ってみると良いかも(金を惜しまず…)。
禁酒はやる気にならないので却下だけど。。。

なお、解説している対象は、単なる情報利用のためのツールという観点だ
けではなく、生活・健康管理まで多岐にわたる。このため逆にながめてい
て気になったのは、「何のための生産性向上か?」という点。著者自身は、
情報アナリストという職務上の要求と、ワーキングマザーとしての制約が
いやおうなく徹底的な生産性向上をめざすキッカケになったと述べている
が、逆に言えば、そういった環境に無いのであれば、なにゆえ知的生産性
を向上することが必要なのかという観点は個々の環境において考えなけれ
ばならない点であるように感じた。

これは結局のところ「人生の目標」に何をおくのか?という疑問だろう。
これをきちんと消化しないと意識的な生産性向上という課題には取り組み
づらいのではないかなあと感じた。
個人的にはこの問題が単なる優先順位を付けるような話でよいのか、そう
ではないのか、うまく消化できなかった。検討すべき課題であるのは確か
だが…。

なお、対象としている読者は職業人を対象としているようだ。
特に金銭感覚についての解説はかなり無理があるように思う。5000円以内
の本は飲み会に行ったと思って、迷わず買えというようなアドバイスは、
学生さん相手には非現実的だろう。このあたり、学生のころの自分が読ん
だら、違和感を抱くであろう箇所が多々。。。
まあ、こういった価値観の部分は、すんなり共有できるようなものならば
苦労はしないのだろうが。。。
Referrer (Inside): [2008-05-31-4]