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book - まさおのChangeLogメモ

2008-08-22 Fri

* Kitchen Table Talk [book]

先日読んだ「American Pie」[2008-08-16-1]の続編エッセイ。

安易に日本論に流れている印象があって、ユーモアにも切れ味が弱くなっ
た印象も。。。
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2008-08-16 Sat

* 別冊図書館戦争1 [book]

『図書館戦争』シリーズの外伝。

良い意味でのバカバカしさが満載で、同人誌といった趣きか。

読んでいても、おバカすぎてついていけない感あり。。。
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2008-08-16 Sat

* American Pie [book]

翻訳家で、NHKの英会話講座に出演した米国人によるエッセイ。

素朴な感じのエッセイが読みやすくてよいかも。。。

オチに持ってくる、ちょっとしたユーモアも品があって良い感じだし、安
易な日本論に流れず、のんびりとしたテキサスの話などが心地良い。

2008-08-14 Thu

* ホームレス中学生 [book]

芸人本とおもって読んだけど、それなりに面白い。
ある種、ネタ帳をそのまま書きおろしたような勢いがあって良いとおもう。

断片的な記載ながら、以前[2008-07-08-2]に読んだ「生活保護 vs ワーキ
ングプア」で書かれていたような、福祉行政の貧しさとしか思えないもの
が垣間見られる。。。
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2008-08-14 Thu

* 夕凪の街、桜の国 [book]

原爆期後の、淡いタイプの人間ドラマを3つの時代にわたって描いた漫画。

『はだしのゲン』を描いた中沢啓治の作品を思わせるテーマながら、より
キレイなストーリーを展開している印象。

ほっとするような、心地良い話なので、映画化されたものも観てみたい。
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2008-08-13 Wed

* ナノカーボンの科学 [book]

フラーレンと呼ばれる炭素構造体の発見から、多量合成法の発見、さらに
カーボンナノチューブと呼ばれる内包構造体の発見まで、研究の進展の様
子を描いている。

1985年の構造体の発見および1990年の合成法の発見がどのようなアイデア
をもとにうまれたかと、その過程での研究者同士の交流と競争の様子をく
わしく描かれて、とても面白かった。

ブルーバックスに「恩返し」がしたくて、本書を執筆したとの、まえがき
の言も興味深い。
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2008-08-07 Thu

* 激しく倒れよ (沢木耕太郎ノンフィクション1) [book]

スポーツ選手を主体にしたルポタージュを、本人の解説付きで復刊したシ
リーズ。

時代的にはかなり昔のものなので、ひとにまつわる事件や生き方を描いて
いるだけで、混沌とした時代の空気が感じられて面白かった。

ついこのあいだのイチローの日米通算安打記録の話題のころに、昔の選手
が話題になったのを見て、すこし読んでみたかっただけなのだけど、野球、
ボクシング、マラソン、ゴルフなど、いろいろとした競技での選手の内面
や外面をうまくとらえていて、はいりこんで読めた。
cf. Wikipedia:榎本喜八
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2008-08-06 Wed

* 生き物をめぐる4つの「なぜ」 [book]

動物の行動や形質をめぐる4つの研究命題を探求する解説を、性別、鳥の
さえずり、鳥の渡り、発光、子の世話、角と牙、道徳性、といった多岐に
わたる話題で展開している。

著者によれば、4つの疑問とは、至近要因、究極要因、発達要因、系統進
化要因のそれぞれからなり、提唱者の名を冠して、ティンバーゲンの4つ
の疑問と称されるとのこと。

テーマが多岐にわたり、疑問や仮説が提示される解説が刺激的で面白く読
めた。

あとがきで著者が述べているとおり、4つもの研究命題に答えることは、
生物への理解を豊かにするということが鮮明になっている。一方で、現代
科学においては、通常は、専門家としての研究者は4つのうち1つだけを相
手にするような細分化がなされているだろうから、そのあたりの微妙さも
考えさせられる感もあり。。。
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2008-07-26 Sat

* ルポ貧困大国アメリカ [book]

アメリカの貧困層の現状と解説しながら、新自由主義政策が全盛となった
現在のアメリカの姿をつたえる。

とくに、医療制度、軍事産業、教育制度といった場所で苦闘する貧困層と、
それをささえる制度面での格差を描いている。
とくに、新自由主義における経済政策がその推進剤として、貧困を軸とす
る被搾取層をつくりだし、再生産する様子を批判的に伝えている。

昨年に『Sicko』を観て以来、アメリカにおける新自由主義政策の悲惨さ
に驚き、それとともに、日本におけるそれがかなり酷似した姿になりつつ
あることに、さらに背筋の寒い思いをしてきたが、本書も、それと類似の
世界を描いている点で興味深い。
『Sicko』で描かれていた、医療制度によって貧困層に転落する家族や、
不足する給食制度の問題などをとりあげるだけでなく、911以降の軍産業
と貧困層との関連を強く描いているのが特徴。

貧困社会の問題として様々な話題に触れている都合からか、全体の構成が
やや散漫になっているのが難点だけど、個別の事例はとても興味深かった。

日本もいずれこうなるという実感をあらたにして読まなければならないと
思う。。。

2008-07-21 Mon

* ヒューマン2.0 [book]

シリコンバレーにおける日米連携を専門とする本業をもつかたわら、ブロ
グによって名が知られた著者による「シリコンバレー紹介」といった趣き
で、著者が見たシリコンバレーの空気や人々をひたすらに紹介している。

占領政府があった影響からか、アメリカの労働慣行および家族観といった
ものは、現在の日本のものととてもよく似ているようにおもう。それをベー
スに考えた場合、シリコンバレーは、著者が紹介するとおり、一見したと
ころ奇異なベンチャーにあふれた環境のように思う一方で、当然ながら、
そのアメリカ的な雰囲気にもあふれているように思う。
その意味では、「ヒューマン2.0」と題した「新しい労働環境」とはまだ
過渡的のようであって、それをそのままとらえてよいのかどうか、はっき
りとしないように思える。

全体の構成としても、著者はブログの延長のような書きぶりに徹した文体
で、ブログ読者でなければ、これについていくのはなかなか厳しいように
思う。
ただ、いったん慣れれば、ブログと同様、日常とオンの世界をとりまぜた
この文体が「シリコンバレー紹介記」としては優れたものとなっているこ
とがよく分かるので、タイトルの付け方を間違えたのではないかと思う…。

2008-07-21 Mon

* ホモ・フロレシエンシス [book]

別名「ボビット」とも呼ばれる、インドネシアの遺跡から発見された異例
の古人類化石の発掘譚。これまでの人類進化の学説上の謎を解く鍵となる
ような大発見であることを解説した上で、発掘にまつわる背景と、研究遂
行上での政治的・学説的な対立構造によるさまざまな葛藤を描いている。

発見された人骨は現生人類からかなり遠縁の旧人類と見られ、しかも、現
生人類とくらべると著しく小さな体格や、小さな脳頭蓋の面積などの面か
らも、新たな人類種であると分類したものとのこと。

著者はオーストラリア側から、オーストラリア大陸への人類の移住の謎と
いうResearch questionをいだいてインドネシアでの発掘調査を進め、そ
こににふってわいた、さらに大きな研究課題を提示する大発見の模様を、
それに関わる努力とともに伝えている。

後半は、インドネシア・オーストラリア間の国際研究プロジェクトの政治
的主導権争いをめぐる話題が中心になっており、大規模なプロジェクトに
大発見がからんで、かなり難しいことになっている模様をつたえる。

長年インドネシアでの人類学研究をおこなってきた監訳者による解説が、
第三者的視点から解説していて、良い感じ。

また、随所で大学院生を含む共同研究者の仕事に触れるさまは、大きな研
究プロジェクトの研究代表者としての責任感を感じさせ、印象的だった。
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2008-07-18 Fri

* マイクロソフトでは出会えなかった天職 [book]

マイクロソフトのオーストラリア・アジア地域担当の上級職員を辞めて、
ネパールをはじめとする貧困国への学校・図書室を建設し図書を寄付する
NPOチャリティ団体の設立者による本。

なかなかに感動的なお話でした。

いや、利害関係の面から言っても、本人によるものなので、相当に割り引
かないといけないのは、わかるんだけど、やはりその行動力は買わないと
いけないとおもう。

ただし、この一種のNPOのサクセスストーリーは、大勢の富裕層の存在に
支えられたものなのだけど、それはそれで複雑な気もする。単純にチャリ
ティ精神に溢れた人が欧米に多いというだけではない問題も一部にはらん
でいる気はする。。。

すこし印象に残ったのは、筆者は各地への出張は寄付金を集めるためなの
で、それ以外は無駄ではないかと疑問を呈している。活動の講演は単なる
紹介ではなく、具体的な寄付行為をともなってほしいからこそ、という立
場で行うという姿勢を示している。
このため、行動しない立場からの批判よりも、なによりも行動することの
重要性を強く訴えている。その行動力には

じつは先日のARGカフェのあと、その出会いがいつごろだったかを疑問に
思って[2008-07-13-2]、ARGのバックナンバーをすこし読んでみたが、その
一周年の際に出たインタビュー記事の中で岡本さんは、次のように語って
いた:

もっと発信すべきという前提に立つのであるならば、たとえ内容的に不
満が残る場合であったとしても、その方々を批判するべきではないと思
うのです。少なくともプライオリティをつけて、何ら発信することのな
い方々を真っ先に批判の対象とすべきではないでしょうか。ともあれ、
少なくとも私にとっては、傷つくことを恐れずに発信している方を叩く
ということは非常に品位に欠く行為であると思えるのです。

この精神こそがまさに活動の分野はことなるものの、この本の著者の思い
なのだろう。

さて、また一方で、著者のプライベート面や金銭面での苦闘についてはさ
りげなく書いてはいるものの、見過ごせないポイントでもある気がする。
世界中の人々へ幸せを届ける活動をしているとする張本人にとっての、人
生の幸せを考えさせられる。ただ、それを乗り越えるパワーは、前向きな
パーソナルな力と、その活動を支える欧米社会特有のチャリティ文化とが
あるのだろうと納得させられる面もある。

個人的にも、ここ数年にユニセフあたりに不定期で寄付している分の一部
を、こちらに送ってみても良いのかもとは思った。
http://www.roomtoread.org/
Referrer (Inside): [2009-01-03-1]

2008-07-15 Tue

* 学校裏サイト [book]

この一年ほどで急に報道が増えたことを受けて、これまでの経緯と現状を
解説しながら、その対策のための戦略について述べている。

著者は群馬大の教員で、ケータイサイトにおける各種学校関連掲示板など
を調査し、その対策のための相談に応じたことなどの経験を元にして、本
書を執筆している。

本の構成が若干整理されていない印象があるものの、実地での掲示板サイ
トでのコミュニケーションの様子や、運営者側への取材の様子は、とても
興味深いものがあった。

個人的には、後半のあたりに米国での対策例として紹介されている「ネッ
トマム」なる概念が興味深く感じた。
と思って、Netmom.com というサイト見てみたら、これの運営者はシラキュー
ス近郊に住む図書館員らしい。。。
cf. Jean Armour Polly

2008-07-11 Fri

* 誰が日本の医療を殺すのか [book]

最近、話題になっている日本における医療危機の現状を解説した本。

医療費高騰が財政再建の負担になるとして、医療費抑制策を続けてきた、
これまでの医療行政、医療政策のあり方を厳しく批判している。

昨年、マイケル・ムーアの『Sicko』を見たときに愕然としたように、日
本の医療は急速に米国のような医療格差社会のそれに近付いている。現に
昨年の報道にあった、病院からの患者置き去り事件という、まさにSicko
に描かれたとおりの事件が起きている。

医師の側からの発信はともすれば、身贔屓となりかねないことを割り引い
ても、低福祉を目指す現在の政策への批判としてはよく出来ていると思う。

構成面では、公共事業との対比の部分に比重が置かれている部分があって、
現実の医療政策の解説がやや薄い印象もある。このあたり、もうすこし深
い解説でもよいかな、と思った。

2008-07-08 Tue

* 生活保護 vs ワーキングプア [book]

著者は、生活保護の実務経験を持ち、福祉の現場で働きながら、「生活保
護110番」というサイトの運営もしている。
cf. http://seiho110.jp/

生活保護制度の現状を解説したうえで、いくつかの事例とともに、「自己
責任論」や「水際作戦」等の表層的な批判を超えた立場から提言を行って
いる。

特に、生活保護行政では、これまで意識されていなかった、被保護対象に
おける児童福祉の問題を中心的に取り上げているのがとても印象的だった。
逆に言えば、そのあたりから攻めないと、すぐに自己責任論にのみこまれ
てしまう現場の葛藤が描かれている。

また提言としては、「自立支援」を軸とした生活保護行政の変革を訴えて
いる。これもまた納得。

事例として挙げられているものでも、苦しく先の見えない生活の痛切さと
ともに、生活保護の現場の苦悩をよく伝えているように思う。
なお、本書はタイトルにあるワーキングプアとの対比を主軸にしたもので
はなく、生活保護を主題としたものだった。ので、以前読んだ『ワーキン
グプア』と対比させて読むと良いのかもしれない。cf. [2007-10-01-1]
Referrer (Inside): [2008-08-14-2]

2008-07-03 Thu

* いつまでもデブと思うなよ [book]

昨年話題になったダイエット本。
食事と摂取カロリー、体重や体脂肪率などを記録する「レコーディング・
ダイエット」を提唱。
前半はダイエットの意義が、後半は助走、離陸、上昇、巡行、再加速など
のフェーズ毎に具体的なダイエット術が解説されている。

個人的には、5年くらい前に「測るだけダイエット」のアイデアを元に、
体重計測と食事記録に、自転車(のちにウォーキング・ジョギングも)に
よる運動で8kgほど減量した経験がある。
その経験からすれば、著者の唱えるダイエット法はとくに奇抜なものでは
なく、ダイエットの王道とも言える内容で、説明も良く書かれていて、凡
百のダイエット本を駆逐することができれば有用だと思う。

ただし、そこでの体験談の記述や、ダイエット法のプロセス管理の方法は、
著者自身も言及しているとおり、100kg超の「デブ」から相当量の減量を
図ったものであるため、やや極端なものになっていると思われる点もある。

ついでに、一点だけ多少の違和感を感じたのは、「面倒さ」について言及
している箇所で、減量のブレーキとしての面倒くささという話と、面倒く
ささが減量の推進力になるという話とが同居していて、ややうさんくさく
感じてしまった。。。

つまり、レコーディング式ダイエットでの「カロリー計算や記録を全て書
き起こすのは面倒」という点を、だから「書くのが面倒なら、いっそ食べ
るのをやめよう」みたいに肯定的に書いてあるのだが、これはむしろ、面
倒だから、レコーディングをやめてしまうという否定的な側面もあるはず。

ここ数年の自分をふりかえっても、この点が難点で、測るだけダイエット
は継続しない期間ができてしまうという面は確かに存在した。

はてさて、これをどう処理するのか?

著者は、「軌道到達」の段階として、痩せた状態の自分の体をコントロー
ルする術を覚えられれば、記録をやめてもよいとしているので、そういう
ことなのだろうけれど、そこまで完璧な状態をつくり、それを維持するの
は難しいだろうなあと思わなくもない。

まあ、いつでもいくらでも痩せられる方法があるのだから、一定期間お休
みしても大丈夫と開き直る、というのが個人的な策なのだけど。。。

ちなみに個人的には、上記の問題はライフログ系のイノベーションで、技
術的に解決できるのではないかと思っているのだけど。。。
このあたりはダイエットと人間の心理の関わりという面からも考えてみる
とおもしろそうと思う。

2008-06-29 Sun

* スカイ・クロラ [book]

森博嗣の作品、ということで読んでみた。

はっきり言って、意味不明なまま終わってしまった。。。

雰囲気としては、戦争と気だるい日常の連続とを描いているのだとは思う
けど、あまりにも設定が不明すぎて、ついていけず。。。

吉本ばななとか村上春樹とか、そのあたりの雰囲気に近いのかなあ、とは
思うけど、そのへんにしてもあまり好きではないので。。。

2008-06-27 Fri

* ガイア [book]

デイビッド・ブリンによる、小ブラックホールを材料として使ったSF小説。

インターネットの未来形のような「ネット」の攻防も話題の一部となって
いて、その描写が面白い。
とくに、ネット上に構築される超人格といった話題は興味深い。

というか、10年以上前にこの作品を読んで、AI研究も面白そう、、、と思っ
た作品だったのを単に忘れていただけらしい。。。
読んだことすら忘れて再読するも、ストーリーの方も完全に忘れていたの
で、すなおに楽しめたけど。。。

2008-06-25 Wed

* エモーショナルデザイン [book]

ユーザビリティと認知科学の御大ドナルド・ノーマンによる、デザインと
情動の関係についての考察。

著名な『誰のためのデザイン』で展開された、ユーザビリティと機能との
関係性を、さらに別の角度として、人の情動・感情の側から考察したもの。

人とモノとのインタラクションにおいて、「本能・行動・内省」という3
つのレベルでの処理による、複合的なモデルを提唱している。

人の行動に、本能レベルでのメカニズムがどのように関わっているのか、
という点は、ここ5年くらい興味はもってすこし眺めているのだけど、そ
の点とデザインとの関係という点では、基本的な文献だとおもう。

2008-06-20 Fri

* キャズム [book]

ハイテク産業を例にして、顧客層の違いによってマイナー市場からメジャー
市場への向けての移行が困難となる問題を取り上げ、そこを乗り越えるた
めのマーケティング手法を提案している。

製品ライフサイクルのイメージとその顧客像、さらに「キャズム」と一言
で言い表わすことができる概念を提唱した、ということそのものに大きな
価値があるのだとおもう。

ただ、対応方法としてあげられている実際のマーケティング手法としては、
具体的な「橋頭堡」としてのマーケットセグメントの設定や、営業・開発
担当などの切り替えを意識すること等があげられているが、こちらは若干
具体性・説得力に乏しい感がある。

このあいだ[2008-05-02-1]読んだ「イノベーションのジレンマ」とセット
で読むとよいのかもしれない。。。