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book - まさおのChangeLogメモ

2008-02-14 Thu

* 銀河英雄伝説(1〜10) [book]

田中芳樹の名作。スペースオペラSF。

『三国志』『ファウンデーション』などの古典の良い部分をうまく活かし
ながらも、著者独特の、戦争・国家・英雄像をうまくミックスさせた作品
で、壮大な舞台仕掛けにもかかわらず、描かれるのは主に5年ほどの短い
期間の激動の時代。

週末に体調がちょっと思わしくなかったので、横になって、ちょっと暇つ
ぶしと思って、本棚から取り出したのが最後、10巻読み通すはめになって、
結局夜更かしするというオチ。。。

たぶん10年ぶり3回目の読了。
前回は大学生のころだったし、その前はたしか中学生のころ。
ほぼ10年おきに読んできたのかと思うと、不思議な気もする。
長い間読んでいなかったので、だいぶ素直に読めて楽しかった。
たまに直訳風の文章と感じる部分があって、不思議に感じる部分もある。

特筆すべきは、田中芳樹による名言集オンパレードで、個人的にはこれは、
80年代の日本を代表するもので、明石家さんまと並んで時代の空気を伝え
るものだとおもう。
銀英伝中の名言集の元ネタをだれかがまとめていないかしらと思う…。

2008-02-08 Fri

* ナイチンゲールの沈黙 [book]

先日読んだ『チーム・バチスタの栄光』[2008-01-24-1]の著者2作目。
院内の人間関係に加え、今回は患者対応の看護現場を主題に描いている。

登場人物や舞台となる病院はそのまま。主人公の設定に加え、随所に医療
現場の解説が入るスタイルまで、第1作をそのまま踏襲していた。
Referrer (Inside): [2008-04-13-1]

2008-02-07 Thu

* 聖の青春 [book]

早逝した天才棋士・村山聖の人生を描く。
将棋の世界に世代交代をまきおこした羽生世代を代表する一人。

棋士としての生き様と同時に、持病と闘った人生の闘病記としても壮絶な
内容で、語りつがれるべき物語とおもう。
Referrer (Inside): [2009-01-03-1]

2008-02-06 Wed

* 放送禁止歌 [book]

ドキュメンタリー作家の森達也による、放送禁止歌の背景を探ったドキュ
メンタリー番組と、部落差別に関する取材の結果とをまとめた手記。

メディアが自らの腕を縛るという不思議な構図。
「放送禁止歌」なる存在が、そもそも虚構のものであることを描いている。

なんとなく思ったこととして、苛烈な糾弾は、今の炎上にもつながっては
いないか。たとえば、炎上の時代、非寛容の時代に、自主規制は有効か?
叩かれない表現者に自己主張は可能か?
そういったとりとめもない疑問が浮かんだ。

2008-02-04 Mon

* ネットワーク分析 [book]

社会的ネットワーク分析の名著。
社会学における知見を随所に盛り込んで、社会的関係におけるネットワー
クとはどういうものであるかを解説している。

本書は1997年刊行で新しいものではあるが、直後の1998年発表のワッツ&
ストロガッツによる「スモールワールド現象」の理論的再発見と、バラバ
シらの続いた数理的ネットワーク理論の発表があって以降、その方面から
の研究が活発になり、多くのネットワーク分析関連の類書が書かれてきた
ものの、いかんせんその視点は数理的な枠組みにフォーカスしたものとなっ
ており、結局のところネットワークをどう捉えるのか?という視点には、
いささか疑問を覚えざるをえないものもあった。

本書では、そういったフラストレーションに見事に答えうるものだと思う。
(ほんとの時系列上からいえば逆なのだけど…)

具体的な社会学の枠組みにおけるネットワークの見方と、筆者の見解とを
バランスよく解説しており、とても参考になる。
また、エスノグラフィーなどの他の社会学分野における方法論との接点と
いう意味でも、良い入門的解説となっているように思う。

以前から、きちんと読んでおかねばと思いつつも、後回しにしていたのを
悔やむ…。

2008-01-30 Wed

* ウェブ時代をゆく [book]

『ウェブ進化論』からはじまった著者の一連の著作シリーズの集大成的な
解説として読んだ。ウェブに代表されるIT化の進展から示唆される、現代
という時代の方向性と今後の社会のあり方を検討し、そのなかでの個人の
生き方を論じている。

これまでの著作では、ややもするとありきたりの話だと聞き流していた部
分が多かったが、「1975年〜2025年までの半世紀」をウェブ時代として、
大きな時代の変わり目に立っているものとして話を始め、時代性を中心に
据えたことで、今を生きるわれわれの手元に届く言葉となっているような
気がする。
なにより1976年生まれの私個人としては、本書で語られる時代とはまさに
自分が生きてきて、これから続いていく現在進行形の時代史なのだという
実感を迫ってくる感があり、自身の人生と時代感覚とを重ねながら素直に
感銘を受けることができた。それもあってか、福沢諭吉の言葉として紹介
している「一身にして二生を経るが如し」との言葉にも説得力を感じた。

一言でいえば、思いがけずエネルギーに満ちた本とでも言いたい。
ほかにも、「小さな奇跡」「新しい職業」といった独特の言葉や文体にも、
いろいろな思いのエネルギーがこもっているよう感じた。
5年後、10年後にもし続編が書かれるとしたら、どんな言葉でなにを語る
だろうか。そんなわくわくを感じさせるようなエネルギーを感じた。

2008-01-29 Tue

* 世界征服は可能か? [book]

これまでアニメ、マンガ世界で描かれてきた「世界征服」というフィクショ
ンを現実世界に適用するとどうなるかを検討するという内容。

最後は自由主義社会と資本主義の市場原理によって、ナイーブな世界征服
自体が不可能になるのではないかとの予想から、社会論まで展開している。
が、社会論そのものは舌足らずで、やや紙幅が足りていない印象。既刊の
もので述べているらしいので、そちらを参照して、ということだろけど、
やはり社会論を展開する部分よりは、著者らしいフィクション内の設定等
を検討する様子が見たくて読んだので、そういう意味ではやや残念。

あと、読んでみて思ったのは、フィクションの前提となる設定条件には、
クリエータそのものの発想力が大きく問われているという感じか…。
そのへんは最近読んだかわら長介のM-1批評における立ち位置、オリジ
ナリティ、主張性といった議論と通じるところがありそうかなと思った。

2008-01-28 Mon

* 日本の統治構造 [book]

日本の政治体制をその成立経緯から現在の実態まで解説し、諸外国との比
較を加えたうえ、将来への提言までをまとめたもの。

大変に盛り沢山な内容ながら分かりやすい構成で、日本の政治体制そのも
のがどのような位置にあるか全体像をつかむ新書としては理想的な感じ。

ざっと拾い読みをするだけでも意外な発見がある感じ。

議員内閣制のあたりの解説については、先日[2008-01-24]読んだ菅直人の
『大臣』と同様の論旨で、こちらは理論面からの裏付けといった感じ。
確かどこかのブログで紹介されていたので一緒に読むことにしたのだけど、
両方いっぺんに読んでみてちょうどよかった気がする。

2008-01-25 Fri

* 出版業界の危機と社会構造 [book]

以前に出版した2作品と合わせて「出版状況論」3部作となるべく最後の作
品とのこと。既刊2作で概要を述べたということで、2001年以降の状況を
つぶさに追っている。

「仏壇にばかり着目して仏である本を見ていないのではないか」という著
者の叫びが印象的。

タイトルにあるとおり、前半では出版業界の近況を述べ、後半では出版書
店業に代表される中小業を押しつぶしつつある社会的状況に言及している。
後者は昨年読んだ『ファスト風土化する日本』(amazon:4896918479)で
展開された話題と同様のもののように感じた。

出版業の構造などに関する考察は本書にはなく、前2作を紹介するだけな
ので、この本だけでは全体の論旨はつかめない。
前2作を読まずにこの本だけを読んだので、いささか全体像を把握できて
いない。とりあえず前2作をすぐにでも読んでみたくなった。
-『出版社と書店はいかにして消えていくか』
-『ブックオフと出版業界』
Referrer (Inside): [2009-01-03-1]

2008-01-24 Thu

* 大臣 [book]

菅直人が厚生大臣を務めたときの経験をもとに、内閣と大臣、官僚の関係
についての問題意識を提言したもの。

1998年出版だが、筆者の主張にある官僚支配政治については、現在でも変
わっていないように見え、大臣経験者としての実体験にもとづく主張には
説得力があるものの、肝心の解決策がやや曖昧、というか通りいっぺんの
もので、新味に欠けるように思う。
また、主張・提案の部分が主となっているため、中央の官僚が持つ独特の
価値観と世界観を垣間見るには、やや記述が弱く、退屈な記述が続くよう
な感じになっているのも残念。

2008-01-24 Thu

* チーム・バチスタの栄光 [book]

大学病院内の人間関係と天才医師団の活躍を描くミステリー小説。

昨年のヒット作のひとつで、著者は現役の医師だということだが、近年の
大学病院内部の話題をおさえつつ、ストーリーや登場人物のキャラクター
も魅力があり、話題になったのもむべなるかなと感じた。
最後の展開はやや唐突といった雰囲気もあるけど、ミステリーの枠として
はこんなものか。逆に言えば、前半からの流れは無理にミステリーとしな
くてもよかったんじゃないかなあと思うくらい臨場感のある良い作品だと
思った。

個人的には、昔読んだ新潮社のミステリーシリーズに似た雰囲気の病院を
舞台にした作品に、似たように天才医師が出てくる話があった記憶があり、
そちらと対比させながら読みなおしてみたくなった。といっても10年以上
前のことだからうろ覚えだけど…。ちょっと検索した限りでは逢坂剛の
『さまよえる脳髄』(Amazon:4087476197)かな?
Referrer (Inside): [2008-04-13-1] [2008-02-08-1]

2008-01-22 Tue

* なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか? [book]

著者の観察による、低志向・安定志向な普通の若者たちの実相を示して、
2000年代後半に入ってから顕著な若者気質の特徴を解説する本。

若者気質と競争社会の対比としての解説は、実感としても心情的にもすん
なりとはいってきた。その解説をしている前半はおもしろいものの、後半
の「和」テイスト云々のくだりはさすがに強引にすぎる感じで無理がある
ように感じた。

タイトルの「半径1m以内」についても解説があまりなく、中途半端な感じ。

2008-01-20 Sun

* プリンセス・マサコ [book]

オーストラリアのジャーナリストによる小和田雅子、皇太子妃の半生を追っ
たドキュメンタリー。

日本有数の外務高官を父に持つ、才気盛んで長い海外生活でハーバード大
卒、日本のトップキャリア外交官となる夢を持っていた女性がひょんなこ
とからお妃候補となり、傷つきながらも迷い史上最年長未婚の皇太子と結
婚し、宮中のストレスと不妊に苦しみ続け、娘の出産を得ながらも現在も
精神を病んでいる。…という日本では誰もが知っている物語を描いている。

宮内庁や外務省などによる抗議や、講談社からの出版予定だった翻訳本が
中止となって出版社を変更するなど、話題となっていたもの。
cf. http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/hills-letter.html

なによりもまず著者が、宮内庁と皇室を取り巻く旧貴族界隈や保守層によ
る無責任な介入に強い批判を浴びせているのに気付く。たしかに、皇太子
夫妻に関して言えば、宮内庁自身が最も罪が重いのは認めざるをえないだ
ろう。しかし、官僚組織としての宮内庁がなぜここまで保守的なのかはよ
く分からないし、逆に言えば、官僚組織以外としての宮内庁内部の関係を
描かないと、この辺は整理できないのでは…という気はする。

この程度の話が日本人の手によって書かれなかったというのが一番の問題
ではないか。それはきっと宮内庁とメディアとの独特の共生関係が生んで
きた問題ではないかとおもうが…。

なにより最後まで読んでも絶望的で救いのない話にややうんざりしかける。
事態の好転を願うが、がんじがらめの制約の中では難しいかもしれない…。

あと、翻訳がちと直訳風味で読みづらい点はかなり痛い。
Referrer (Inside): [2008-02-16-1]

2008-01-17 Thu

* 3時間で「専門家」になる私の方法 [book]

IT系ジャーナリストの著者自身の情報収集・整理・遭遇術をまとめた本。

3時間でネットワーク上の情報源から必要な情報を得る戦略、戦術を伝授
するといった形式で、「少子高齢化」を例に解説。
使用ツールは、日経テレコンから始まり、サーチエンジン、ブログ、2ちゃ
んねると、この手の本にしてはユニーク。

読む前はやや煽り気味のタイトルに少し斜に構えてしまい、読んでいる最
中はありがちなお話と、戦略と戦術の区別の無さにややうんざりしかけた
ところだったが、今あらためて見たら、タイトルが「私の方法」となって
いるのに気付いておもわずハッとした。
良くも悪くも事例報告として、ジャーナリストとしての自身の戦略を書い
ているのだと思えば、それなりに面白い。

一番興味深いのは、「皮膚感覚を得る」ための探索戦略や、「セレンディ
ピティを実現させる」といった部分を強調している点で、意外とこういっ
た感覚をそのまま素直に書き記した文献は無いので、印象に残った。
ただ、セレンディピティに関しては「はてなブックマークのタグ検索」や
ブログ上の多視点意見に出会うといった次元の話題に落ちてしまっている。

残念なのは、全体にWebに限定したような話題になってしまっているので、
他のメディアとを相互に関連させて用いる探索など、触れていない部分が
多いように思える点。

あと、逆に言えば「情報検索演習」や「レファレンス演習」の教科書も、
こういった煽り系のタイトルに変えてマーケティングするだけで、売れる
んじゃないかなあと思わないでもない。。。

2008-01-17 Thu

* デジタル社会の日本語作法 [book]

社会言語学等を専門とする著者らが、メールやWeb、ケータイ等の新しい
デジタルメディアにおける新しい日本語作法のあり方を述べたもの。

データや具体事例に基づく考察を期待していたのだが、どちらかと言えば、
デジタルメディアへの接触が少ない層に向けた入門的内容と思われるもの
だった。
タイトルと著者から推測していたものと違い、ちょっとガッカリ。ただ、
あくまでも対象読者層が違うだけで、記述そのものはしっかりまとまって
いるので、そういった層に向けての入門としては良い内容なのだろう…。

2008-01-16 Wed

* 日本を降りる若者たち [book]

タイの長期滞在者として日本とのつながりを離れつつある若者たちの姿を
追った話。

バックパッカーのような旅行者とは違う形で現地滞在する若者が増えつつ
あるとの報告。家で引きこもるのではなく、外国で「外こもり」する若者
たちが増えているとの現状として、日本を離れてタイで暮らす若者たちの
背景と現状を描いている。

タイトルを見て、どちらかというとワーキングプアや雇用不安などの話題
かと思って読んでみたが、ほぼタイでの生活を含め半移住生活の実態が描
かれている。また、描かれた対象者も「若者たち」というにはやや年が上
で、タイトルには違和感を感じた。
(当たらずとも遠からずといった雰囲気ではあるが)

こういった現状があることを知らなかったので、そういう意味では面白かっ
たが、やや描写が暗いのは気のせいだろうか。あまり日本という土地にこ
だわる必然性は無いので、素直に日本を降りれれば良いだけの話だとおも
うのだけど。単に海外が難しいのであれば、国内に代替地をいくつか作っ
ておけばいいのかも…。

2008-01-14 Mon

* 日本軍のインテリジェンス [book]

戦前の日本軍が行っていた諜報活動の実際と、史料をもとに追った本。

陸軍では、ソ連や中国を相手にインテリジェンス活動が質量ともそれなり
に進められていたが、海軍ではそもそもインテリジェンスがほとんど組織
化されず、結局敗戦に至るまでほとんど無視されていたといった話など。

海軍の話では、数年前にNHKが終戦記念日特集で流していたミッドウェー
海戦の特集が印象的だったのを思い出した。番組では、かろうじて帰還し
てきたパイロットたちが命懸けでやったのだからと、勝手に戦果を誇大報
告しはじめ、一般への「大本営発表」と同じく、海軍の参謀本部全体です
ら、正確な戦況をほとんどつかまないまま、細々と残った航空機部隊の大
半をつぎこんで自滅してしまう模様を描いていて印象的だった。

この本では、それをインテリジェンスの観点から、情報部が組織内で軽視
されていて、情報を挙げても他の部署からの主観的な意見が勝ってしまう
様子として描かれていた。

著者も指摘するとおり、結局のところ、現在にいたるまで日本にはまとも
な情報組織は存在しないわけだけど、それはやはり日本の組織文化による
ところも大きい気がする。いまだに小説や映画などの中で組織内での左遷
を表現するときは、「資料室行き」と表現されたりするのが典型なのだろ
けど。

2008-01-13 Sun

* 知性の創発と起源 [book]

ヒトの知性とはどのような存在で、どのようにして生まれたかに迫る本。

これはすごい本。

「まえがき」によれば、もともと人工知能学会誌 Vol.18,No.4 (2003) で
組まれた特集「知の起源」への寄稿論文数編をもとに、いくつかの章は別
の著者に執筆を依頼して編集されたものとのこと。
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai/journal/contents/18-4.html

以前から気になっていたが後回しにしていて読む機会がなかったが、先月
[2007-12-12]に開催されたWI2研究会で招待講演をしていた鈴木氏が参考
文献として挙げていたのが気になって、ようやく読んでみた。

各章ごとに論じている範囲と分野が大きくことなるが、認知科学、人工知
能、脳科学、認知発達、言語学、ソフトウェアインタラクション、ロボッ
トなど、多岐に渡っている。各分野からの筆者たちがそれぞれ、知性とは
何で、どのような過程を経ているかという、とても難しく、未解明の問題
に様々な角度から考察を加え、大胆に仮説を論じている。
とても面白かった。

個人的には、0章と2章の鈴木氏による論考がとても興味深かった。
多様性、多重性、並列性からなる知性の枠組みは、ヒトが関わる様々なプ
ロセスで考えなければならないものだとおもう。
また、5章のソフトウェアインタラクションを論じた山本・中小路氏によ
る無意識による創作という話題もとても興味深い。3章のヒトによる認知・
動作の揺らぎといった話題とも絡めて、これまたきちんと考えておかない
といけない話だとおもった。

知性と認知や、知性と言語など、いろいろな面でのギャップを既往研究の
成果や研究事例をもとに論じていて、考えさせられた。

折りに触れて再読すべき本のひとつかも。。。
Referrer (Inside): [2009-01-03-1]

2008-01-11 Fri

* 研究者という職業 [book]

経済学関連の統計分野の研究を重ね、「Statistical research worker」
を自認する著者による研究者論。

研究者として生涯を過ごすとはどういうことかという問題意識から、研究
上に必要とされる能力・心掛けといった話題から、職業人や組織、学会、
社会との関わりなど、指針とすべき心構えを述べている。

「米国の大学の場合、一流研究者には学長の2倍の給料を出す」といった
話や、「学術用語」の重要性を論じた部分が印象に残った。

院生時分などにどこかで耳にした話題も多かったが、まとまった文章とし
ても読みやすく、洒脱な書きぶりもあり、楽しく読めた。
これから研究をはじめるという学部生などにもお薦めしたい本。

2008-01-11 Fri

* Party Princess [book]

Princess Diariesシリーズ第7弾。
今回は、投稿小説、生徒会の話題、彼氏とのパーティ、女王主催のミュー
ジカル・パーティ、彼氏の家族の…といろいろなイベントが起きて、といっ
た話。

2年くらい前に5作品をまとめて読んでいたので、久々に読んだのだけど、
相変わらず主人公の Mia はぶっとんでいて、おバカなストーリーが結構
笑えた。ノリとしては昔ながらの少女マンガで、ベタなのだけど。。。

あと、つい先日殺された Benazir Bhutto の名前を Lily が会いたい人物
としてあげるのがなんとも言えず…。